自動車整備士の資格
自動車整備士2級
自動車整備士として働くうえで、自動車整備士資格への挑戦は避けては通れません。自動車整備士資格は、業務独占資格という分類になります。業務独占資格とは、その資格を持っている人でないとできない業務を、独占的に行うことができる資格のことです。
そのため、自動車整備士は資格を取得することで、できる整備業務の幅が広がっていくのです。
自動車整備士資格一覧
自動車整備士の資格にはいろいろあります。以前、それぞれの資格についてコラムで紹介しているので、気になる方は是非読んでみてください。
-自動車整備士ってどんな資格があるの?整備士資格について解説!
-自動車整備士2級の仕事内容と平均年収は?取得方法まで解説!
-自動車検査員の平均年収は?自動車整備士1級との違いを解説!
自動車整備士の試験とは?
自動車整備士の資格を取得するためには、国家試験に挑む必要があります。国家試験は、都道府県ごとに試験会場を設け、毎年2回開催されています。
開催時期
先ほども述べたように、自動車整備士の試験は年に2回開催されています。開催時期は第1回は10月、第2回は3月の実施が多いようです。試験申し込み期間は実施日の2か月前に3~4日間程度設けられています。
第1回と第2回では、受験できる資格試験が異なるため、事前に自分の受ける資格試験を確認して予定を立てましょう。
令和3年度の開催日程は、自動車整備振興課連合会の自動車整備技能登録試験日を確認してください。実技試験免除でない方は、国土交通省の国家試験のご案内を確認しましょう。
受験資格
自動車整備士の試験を受けるためには、受験資格が必要になります。受ける資格試験により、条件は異なっています。
自動車整備士1級
一級整備養成課程を修了するか、2級自動車整備士として3年の実務経験を積めば、受験資格を得ることができます。
自動車整備士2級
二級自動車整備士養成課程を修了するか、3級資格を取得後に実務経験を1~3年積むことで、受験資格が与えられます。
実務経験の年数は、卒業した学科により変動します。例えば、職業訓練校の自動車科を卒業しているのであれば、実務経験1年で2級への挑戦が可能になります。普通科出身の場合は、実務経験が3年ほど必要になりますので、独学で資格を取る場合はかなり時間がかかります。卒業した学科だけでなく、どの分野の試験を受けるかによっても、必要な経験年数は異なるため、事前に調べておきましょう。
自動車整備士3級
三級自動車整備士養成課程を修了、もしくは、整備作業に関する実務経験を6ヶ月~1年積んでいることが受験条件になります。こちらも、2級と同じく、出身学科により必要な実務年数が異なります。
このように、自動車整備士の試験を受けるために必要な条件は様々になります。自分のライフプランにあったルートで、資格取得に向けて動けることも、自動車整備士資格の魅力のひとつと言えます。
また、実務経験の期間は、試験日の前日までカウントされるため、申し込み段階で日数が足りていなくても、試験に申し込むことができます。しっかり日数を確認の上、申し込みを行いましょう。
受験費用
自動車整備士の試験には、当然ですが受験費用が掛かります。自動車整備士の試験は学科試験と実技試験の2部構成になっており、残念ながら、それぞれに費用が掛かってきます。自動車整備振興会連合会の記述によると、かかる費用は一律で7,200円となっており、自動車整備士1級のみ、学科試験にかかる費用が異なります。自動車整備士1級の学科試験にかかる費用は、9,300円になります。実技試験の費用は、1級も3級も変わらず、14,000円が必要です。
受験申込のやり方
もし、自動車整備学校を卒業していて、挑戦する資格の養成課程を修めているなら、申し込む試験は学科試験のみで問題ありません。ここでは、学科試験の申し込み方法について、お伝えしていきます。
まず、申し込みに必要なものは下記の4つです。
・登録試験受験申請書 1通
・受験資格を称する証明書
・写真(6か月以内に正面から撮影したもの、縦6cm×横4.5cm)
・ハガキ(学科試験用2枚、1級の場合は4枚)
すでに整備士手帳を持っている場合は、証明書を提出する必要ありません。なお、整備士手帳に合格証明の記載がされていない場合は、別途合格証書が必要になる場合があります。
登録試験受験申請書とは、自動車整備振興会に備えてある書類のことです。最寄りの自動車整備振興会に行って書類をもらうようにしましょう。
登録試験受験申請書に、必要な情報を記入したら、ハガキと写真・証明書をそろえて、各整備振興会の受付会場へ提出するだけです。提出時に受験費用を支払うので、こちらも前もって準備しておきましょう。納付後の受験費用の返金は原則として認められていないため、申請前に間違いがないか、再度確認を怠らないように気を付けましょう。
自動車整備士の試験内容
学科試験
前の章で述べたように、自動車整備士の資格試験は、学科試験と実技試験に分かれています。どの資格試験でも、学科試験はマークシート式のペーパーテストとなっており、試験ごとに出題範囲や出題数が異なります。出題範囲については下記の図のとおりです。
合格ラインも資格試験事に異なっていますがおおよそ60~80%の正答率で合格となります。
実技試験
実技試験では、学科試験とは違う、実際に手や体を動かす試験内容になります。実技試験は1人ずつ試験会場に入室し、実際に修理作業などを行う形式です。入室後は、試験官が作業スピードや丁寧さを確認し、採点を行います。
実技試験の出題範囲もそれぞれ決まっています。
自動車整備士資格試験の勉強方法
自動車整備士3級
自動車整備士3級の試験に向けた勉強では、教科書をメインに進めていくことがおすすめです。もし、自動車整備学校に通っているのであれば、学校で使っている教科書を指針に勉強を進められます。独学の方は、ネットや本屋さんへ行って、別途購入する必要があります。
一概に教科書と言っても、出版社によって印刷方法やまとめ方が、すこしだけ異なります。別途購入する際は、実際に本屋さんへ足を運んで、実物を比較したうえで、自分に合ったものを購入するのがおすすめです。
自動車整備士2級
自動車整備士2級を目指す場合も、3級の時と同じく、教科書を中心に進めていくのがいいでしょう。しかし、2級の試験は、3級よりも込み入った問題が出題されるため、難易度も上がっています。なので、教科書だけではなく、過去問題にも挑戦したほうが、より合格の確立が上昇します。実際の試験で使用された過去問題は、自動車整備振興会連合会の過去の問題と解答から見ることができますので、これを活用して試験勉強を効率的に進めましょう。
自動車整備士1級
自動車整備士1級の試験は、自動車整備士3級や2級よりも非常に広い範囲から出題されます。また、1級の試験では合格ラインが80%となっており、自動車整備士資格のうち、最も難易度が高いと言っても過言ではありません。
しかも、自動車整備士1級の試験では、過去問題から同じ問題が出る確率が、非常に低くなっています。自動車整備学校に通っている場合は、試験前に対策講習を開いている学校がほとんどですので、しっかり参加して、対策をおこなうことがおすすめです。
独学の場合は、自動車整備学校に通っている方よりも、より自主学習の時間を設ける必要があります。自主学習では、何度も問題を解いて、自分の苦手な分野について知ることが大切になります。株式会社公論出版から出版されている「自動車整備士 問題と解説」のように、問題ごとに解説がついている問題集を使えば、教科書を見返す手間が減り、効率的に勉強することができます。
自動車整備士の将来性とは?
自動車技術は、日々目まぐるしく発展しています。例えば、ボルボ・カー・ジャパンは、Googleを搭載したシステムを車に導入しました。また、ポルシェでは、5Gネットワークを自動車に搭載しようと、新技術を開発しています。
自動車整備士は、自動車を整備する仕事です。自動車が発展していくことは、自動車整備士の発展に繋がります。実際に、昔に比べてもコンピューター診断機の導入や、最近では、車検証の電子化など、テクノロジーの波が業界全体に及んでいます。
世界に路がある限り、自動車の需要がなくなることはありません。むしろ、自動車技術の発展により、自動車整備士の裁量がどんどん広がっていくと予想されます。
止まることを知らず、発展し続けるこの自動車業界には、成長できるチャンスがたくさんあります。ぜひ、この変革期に一生モノの技術を身に着けてみてはいかがでしょうか。