2024.09.11更新

自動車整備士2級の仕事内容と平均年収は?取得方法や学科試験の合格率まで分かりやすく徹底解説!

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自動車整備士2級とは?


自動車整備士2級とは


自動車整備士2級とは、前回コラム「自動車整備士ってどんな資格があるの?整備士資格について解説!」で解説した通り、整備学校に通っている方や3級資格の保有者が目指す資格です。自動車整備資格を保有している方の約80%は自動車整備士2級資格を持っています。

2級資格を持っていれば、単独で分解整備を行えるので、どの自動車整備工場でも1人前の自動車整備士として責任あるポジションにつくことができます。


自動車整備士2級で目指せる職業とは


自動車整備士2級の資格を持っていれば、民間車検工場・自動車ディーラー問わず様々な自動車整備工場で自動車整備士として働くことが可能になります。

特に、国産の自動車メーカーでは整備士としての採用基準が「自動車整備士2級以上」という場合も少なくありません。

自動車整備士3級に比べ、より専門的な知識が必要になる資格なので、メーカー本社勤務や自動車製造分野でもこの資格を活かすことができます。


自動車整備士2級の種類


自動車整備士2級の分類は4つあります。

2級自動車シャシ整備士

中型・大型自動車以外のシャシ部分(自動車のエンジン・ボディを除いた箇所)の一般的な整備、特に足回りの分解整備など、3級整備士では行うことができない業務を行なうことができる資格

2級自動車ガソリン・エンジン整備士

ガソリンエンジンで動く中型・大型自動車以外の一通りの整備(分解整備を含む)を行なうことができる資格

2級自動車ジーゼル・エンジン整備士

ジーゼル(ディーゼル)エンジンで動く中型・大型自動車以外の一通りの整備(分解整備を含む)を行なうことができる資格

2級二輪自動車整備士

オートバイや原動機付自転車の一般的な整備を行なうことができる資格

 

自動車整備士3級の資格と違い、自動車整備士2級の資格では一通りの整備業務を行うことができるようになります。ただ、3級と同じですべての分類を取得する必要はありません。

同時に、複数の分野を受験できるので、自分に合った資格を1~2分類取得することをおすすめします。


自動車整備士1級との違いとは


自動車整備士2級と自動車整備1級の違いを見ていきましょう。

2級資格があれば一通りの整備ができるのなら、自動車整備士1級の資格は必要ないんじゃないの?とそう思われる方もいるかと思います。

実務的な部分だけ見れば、確かにそうかもしれません。しかし、自動車整備士1級には2級にはない、指導者としての役割を持つことがでるのです。現場の安全管理や後進の育成など、現場作業から指導する立場へキャリアアップできる資格となっています。。

その他、自動車整備士1級では、電子技術など最先端技術に関する知識も必要とされるため、これから普及していく電気自動車や自動運転システムに関しても、高度な整備作業を行える資格となっています。

自動車整備士1級について詳しくはこちらをご覧ください。「自動車整備士1級とは?取得者4%以下の仕事内容を解説!

自動車整備士2級の受験資格


学校


自動車整備士2級の資格は、3級と同じく国家資格のため、国が用意した試験をパスする必要があります。2級の受験資格は2種類あります。1つは、3級と同じく学校に通い2級整備士養成課程を修めることです。

一種養成施設

一種養成施設とは、全国に230か所ある国土交通大臣が指定した整備専門学校、高等学校、職業能力開発校のことです。「2級整備士養成課程」では約1,800時間の教育が必要とされています。そのため、修業期間は多くの学校で2~3年となっています。

この課程を修了すると、自動車整備士2級の受験資格が得られ、実技試験が免除されます。なお、実技試験の免除期間は3級と同様に卒業後2年です。

二種養成施設

二種養成施設は、全国に53か所あり、都道府県ごとの自動車整備振興会が提供する技術講習所です。この施設では、3級と同様に受験資格を直接付与することはできません。そのため、自動車整備士3級を取得した後、1~3年の実務経験が入所条件となっています。(※具体的な入所条件については各自動車整備振興会でご確認ください。)

実務経験が必要なため、教育時間は90時間と短く設定されています。修業期間は約6ヶ月で、卒業後には一種養成施設と同様に2年間の実技試験免除が与えられます。


独学


もう一つの受験資格の取得方法は、実務経験を積むことです。一種養成施設に通わずに、自動車整備士2級を独学で目指す場合、この方法で受験資格を得ることになります。ただし、単に自動車整備士としての実務経験を積むだけでは2級の受験資格は得られません。自動車整備士3級の資格を取得し、その後で実務経験を積むことで、初めて2級の受験資格が与えられるのです。

最近では、無資格未経験でも採用し、3級整備士、2級整備士と資格取得の支援を行う整備工場も増えてきています。詳しくはこちらをご覧ください。「無資格未経験で自動車整備士になれる?業界の実情となり方を解説!

自動車整備士3級の資格取得後、独学で自動車整備士2級を目指す場合、必要な期間は、下記の図のとおりです。

自動車整備士2級の検定試験


学科試験


自動車整備士2級の国家試験は、毎年2回実施されています。試験は学科試験と実技試験の2つの分野に分かれています。なお、学科試験はマークシート方式となっております。

学科試験では、自動車の整備に関する一般的な知識が問われます。構造、材料、保安基準など多岐にわたる問題が出題されます。出題数はシャシが30問、その他が40問の計70問で、合格基準は約70%以上の正解です。つまり、40問中28問を正解すれば合格できるため、難易度はそれほど高くないと言えます。

受験料は4,200円です。この金額は決して安くはないので、十分に復習して試験に臨みましょう。


実技試験


実技試験では、実際に自動車の整備作業を行います。試験官がその様子を観察し、採点を行います。試験時間は30分で、制限時間内に基本工作から完成検査、修理など、各分野の実技が3つ出題されます。

受験料は12,000円と、こちらも安くない金額です。一発で合格するためには、仕事先の先輩に指導を仰ぐなど、しっかりと対策を行いましょう。

自動車整備士2級の難易度

自動車整備士2級の試験の難易度についてみていきましょう。

自動車整備士2級は自動車整備士として、必須ともいえるほど一般的な資格となっており3級よりも難易度は高いですが、しっかり対策を取れば問題なく合格できるはずです。


自動車整備士2級の合格率は?


自動車整備士2級の合格率は非常に高く、日本自動車整備振興会連合会による令和5年度の試験結果によると、合格率は80%を超えるものとなっています。その中でも、2級自動車ジーゼル・エンジン整備士の合格率が最も高く93.4%になっています。

しかし、2級の合格率は8月に行われる第1回と、3月に行われる第2回で合格率に40%ほど開きがあるようです。令和5年度の試験でも、第1回の合格率は第2回と比べると半分近くの数値となっています。この合格率の差は、整備士学校の受験シーズンに関係しているのかもしれません。

整備士2級_合格率推移

(参考:『令和5年度第2回(第108回)自動車整備技能登録試験「学科試験」の試験結果について』、一般社団法人日本自動車整備振興会連合会)

自動車整備士2級の仕事内容

自動車整備士2級の仕事内容は、主に点検整備と分解整備の2つです。

点検整備は、自動車の部品劣化・故障の原因を点検し、必要に応じて修理や整備を行う作業です。事故を未然に防ぐためにも、この作業には、より正確さが求められます。

分解整備は、エンジンやサスペンションといった、装置を分解して修理・点検を行う作業です。部品を分解するので、取り外した部品の管理なども大切になります。

その他、3級整備士と協力してタイヤ交換やオイル交換なども行う場合があります。

しかし、自動車整備士2級でも、整備後の点検検査や車検のための検査は行うことはできません。こういった業務にはより責任が伴いますので、自動車検査員という上位の資格が必要になります。

自動車整備士2級の待遇


年収


自動車整備士2級の年収は、求人データから分析すると380万円~420万円が平均となっています。自動車整備士3級にくらべ、責任のあるポジションにつく機会が多く、その分年収も上がっています。整備士全体の平均年収が約417万円であるため、整備士として平均的な年収をもらえると考えてよいでしょう。また、整備士の中でもディーラー整備士の平均年収は約489万と、全体と比べるととても高い水準となっております。前述したように、ディーラー整備士としての募集要項の多くに自動車整備士2級が必須事項となっています。整備士としてしっかり稼ぎたいといった方は、ぜひディーラー整備士も検討してみてください。

(参考:「自動車整備士白書 令和5年度版」、一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会)

また、ここから年収を上げるには、今より給与のいい会社に転職するか、整備士をまとめ、監督する立場へのキャリアアップが必要になります。

転職で年収を上げたい方は、是非こちらの「自動車整備士の平均年収と収入を増やす具体的な方法」も読んでみてください。


転職


転職のしやすさにおいては、自動車整備士3級に比べて、自動車整備士2級を求めている企業が多いため、条件にあまりこだわらなければ、多くの求人に引く手あまたとなるでしょう。また、2級資格を持っていることは、一般的に即戦力として見なされることが多く、ブランクがあったり実務経験が浅かったりしても、一定の給与が期待できます。

20~30代では、現場整備士としての需要が高いですが、40代になると、整備士としてのスキルに加え、管理職としてのマネジメント能力が求められることもあります。一般的に難易度が高いとされる50代以上の採用でも、スキルや経験によっては比較的多くの求人案件があり、自動車整備士が世間でいかに求められている職業であるかがわかります。

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