コラム_整備士_自動車整備士の資格一覧!結局、取るべき資格は何級?
2024.09.11更新

自動車整備士の資格一覧!結局、取るべき資格は何級?

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自動車整備士のおさらい

今回は、自動車整備士の資格について話していきます。

そのためにも、前回コラム「自動車整備士とは?様々な角度から徹底解説!」にて解説した、自動車整備士という職業について軽くおさらいしていきましょう。


自動車整備士の現在


自動車整備士の総数は現在39.9万人(出典:『自動車特定整備業実態調査結果概要』日本自動車整備振興会連合会)となっており、日本全国の就業人口での割合は約0.6%です。

昨今、自動車整備士の総数は減少傾向にあり、自動車整備会社の2社に1社は自動車整備士の不足を感じています。

整備士学校への入学数減少もあり、自動車整備士の需要は大変高まっているのです。


​自動車整備士の必要性


自動車検査登録情報協会(自検協)のデータによると、2020年4月のコロナ禍においても、日本全国の自動車保有台数は81,907,367台に達し、その数は増加し続けています。

その中でも、最も多くの自動車が保有されているのは愛知県で、4,203,759台を記録しています。

これには、トヨタ自動車や自動車部品で世界シェアトップのデンソーといった、自動車業界を牽引する企業が本社を構えていることが大きな要因の一つと考えられます。

人口減少が深刻な問題となりつつある現在でも、自動車の保有台数は増加を続けています。

自動車の台数が増えるにつれて、交通事故や公害のリスクも高まり、それに伴い自動車の安全性がこれまで以上に求められています。

その結果、自動車整備士の役割もますます重要となってきています。

 

世界でトップクラスの技術を誇る日本の自動車ですが、その自動車が安全に走ることができるのは自動車整備士がいてこそ。

今後、自動車整備士はこれまで以上に必要とされ、その仕事には大きなやりがいが伴うでしょう。

自動車整備士の資格とは?

自動車整備士は、国家資格に分類されます。

特に、自動車整備士は「業務独占資格」と呼ばれる資格であり、この資格を持っていないと自動車整備業務を行うことは禁止されています。

 

しかし、自動車整備士の資格を持っているからといって、すべての自動車整備業務を行えるわけではありません。

自動車整備士の資格は、級や種類によって細かく分けられており、一口に自動車整備士の資格を取得するといっても、その資格は複数存在します。

自動車整備士資格の分類

では、自動車整備士の資格を細かく紐解いていきましょう。自動車整備士の資格は、次の5種類が一般的です。

また、さらに細かい分類として、「シャシ」「ガソリンエンジン」「ジーゼルエンジン」などの分類があります。

では自動車整備士の具体的な資格について、それぞれ見ていきましょう。


3級自動車整備士


3級整備士の資格は、自動車の各装置の基本的な整備を行うための資格です。

そのため、エンジンの分解・修理や足回りに関わる整備を行うことはできません。

この資格は、あくまで整備の基礎的な部分に限定されます。

また、自動車整備士の資格の中でも最も合格率が高い資格であり、独学で自動車整備士を目指す場合、まずはこの資格を取得することが推奨されます。

3級自動車シャシ整備士

普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車のシャシ部分(自動車のボディやエンジンを除いた箇所)の基本的な整備を行なうことができる資格

3級自動車ガソリン・エンジン整備士

ガソリンエンジンで動く普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車のエンジン部分の基本的な整備を行なうことができる資格

3級自動車ジーゼル・エンジン整備士

ジーゼル(ディーゼル)エンジンで動く普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車のエンジン部分の基本的な整備を行なうことができる資格

3級二輪自動車整備士

二輪自動車(オートバイ)や原動機付自転車の基本的な整備を行なうことができる資格

 

自動車整備士3級について、更に詳しく知りたい方はぜひこちらもあわせてご確認ください。

自動車整備士3級とは?仕事内容から平均年収まで解説!


2級自動車整備士


2級整備士の資格は、3級整備士の資格よりも高度な整備ができる資格です。

これにより、足廻りの分解・整備やエンジンに関する分解・修理も可能となり、非常に高度な整備を除いて、ほとんどの整備作業を行うことができます。

この資格は、自動車整備士を目指す専門学校の生徒や、すでに3級の資格を持っている方が次に目指す資格であり、整備資格保有者の約80%がこの資格を持っているとされています。

そのため、自動車整備士には欠かせない資格です。

この資格を持っていることで、自動車整備士としての転職がスムーズに進むでしょう。

2級自動車シャシ整備士

普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車のシャシ部分(自動車のボディ・エンジンを除いた箇所)の一般的な整備(足回りの分解整備など3級整備士では行なうことができない業務)を行なうことができる資格

2級自動車ガソリン・エンジン整備士

ガソリンエンジンで動く普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車の一般的な整備(3級整備士では行なうことのできない足回りやエンジンの分解整備なども含め、ガソリン車に関して一通りの整備が可能)を行なうことができる資格

2級自動車ジーゼル・エンジン整備士

ジーゼル(ディーゼル)エンジンで動く普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車の一般的な整備(3級整備士では行なうことのできない足回りやエンジンの分解整備なども含め、ディーゼル車に関して一通りの整備が可能)を行なうことができる資格

2級二輪自動車整備士

二輪自動車(オートバイ)や原動機付自転車の一般的な整備を行なうことができる資格

 

自動車整備士2級について、更に詳しく知りたい方はこちらもあわせて見ることをおすすめします。

自動車整備士2級の仕事内容と平均年収は?取得方法や学科試験の合格率まで分かりやすく徹底解説!


1級自動車整備士


整備の仕事は2級までの資格でおおよそ行うことができます。

そんな中でも、より高度な整備技術や知識を身につけたい方が目指す資格が「1級自動車整備士」です。

この資格は非常に取得が難しく、整備資格保有者の中で1級資格を持っている人は全体の4%未満にとどまっています。

また、1級大型自動車整備士と1級二輪自動車整備士の試験はこれまでに一度も実施されたことがないため、資格保有者は存在せず、実際に取得できる「1級自動車整備士」の資格は事実上、1種類のみとなっています。

1級小型自動車整備士

総重量8トン以下、最大積載量2トン未満、乗車定員11名以下の普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車の整備に関する高度な知識・技術をもち、整備を行なうことができる上級技術者の資格

1級大型自動車整備士

バスやトレーラーなどの総重量8トン以上、最大積載量2トン超、乗車定員11名以上の大型自動車、大型特殊自動車、普通自動車の整備に関する高度な知識・技術をもち、整備を行なうことができる上級技術者の資格

1級二輪自動車整備士

1級二輪自動車整備の資格取得(国家試験)は現在行なわれていないため、実質的には2級二輪自動車整備士が二輪自動車の最上位の資格

 

自動車整備士1級について更に知りたい方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。

自動車整備士1級とは?取得者4%以下の仕事内容を解説!

自動車整備士資格がないと働けない?

先ほどは、自動車整備士の資格の種類についてご紹介しましたが、「整備の仕事をしたい!」と思っても、資格がなければすぐに働けないのでしょうか?

その答えは…「できます!」

実際に、自動車整備士の資格を持っていなくても、自動車整備工場で働くことは可能です。例えば、オートバックスなどでも自動車の整備を行っていますが、そこで整備をしている人の中にはアルバイトの方もいます。

タイヤ交換やエンジンオイルの交換をはじめ、板金や塗装の作業など、資格がなくてもできる作業は多くあります。

有資格者と無資格者で仕事内容を明確に分け、適切に分担作業を行っていれば問題なく働くことができます。

近年では自動車整備士の資格を持っていない人を整備士として採用し、経験を積みながら3級以上の資格取得を応援するという企業も多くなってきています。

 

現場叩き上げで整備士資格の取得を目指すという方は、ぜひこちらのコラムもあわせてご確認ください。

無資格未経験で自動車整備士になれる?業界の実情となり方を解説!

自動車整備士資格の必要性と企業ニーズとは?

資格がなくても自動車整備士として働けることは事実ですが、では自動車整備士資格にはどれほどの必要性があるのでしょうか?

先述の通り、資格がなくても自動車整備の仕事は可能です。

しかし、同じ整備の仕事をするなら、簡単な整備だけでなくエンジンの分解など、より高度な整備ができるようになることで、自分の整備技術や意欲がさらに高まるのではないでしょうか。

また、無資格者よりも3級、3級よりも2級、そして1級と、上位の資格を持っていることで、お客様からの信頼度も大きく変わります。

例えば、トヨタディーラーの自動車整備士のつなぎには「〇級整備士」という刺繍が施されています。

もし「1級整備士」と刺繍されていると、それだけで「この人は自動車整備の最強のプロだ」と安心感を与えますよね。

また、上位の資格を持つほど、資格手当や役職手当などで給与面でもかなり優位になることは明らかです。

資格を取得することで整備技術や知識が向上し、仕事の範囲が広がるだけでなく、仕事に対するやりがいも増していきます。

 

さらに、整備士資格はやりがいだけでなく、転職の際にも大きなアドバンテージとなります。

特に将来、メーカー系自動車ディーラーで働きたいと考えている方には、2級自動車整備士の資格を取得しておくことを強くお勧めします。

なぜ2級が重要かというと、メーカー系ディーラーでの業務は、民間工場と比較して専門性が高く、資格がなければ行えない分解整備業務が多くを占めているからです。

そのため、2級整備士の資格を持っていない方を採用しない場合も少なくありません。

取得している資格の級によって、収入にも大きな差が生まれます。

整備の仕事を目指している方は、ぜひ1つでも上の自動車整備士資格を取得することをおすすめします!

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