2023.09.27更新

自動車整備士3級とは?仕事内容から平均年収まで解説!

自動車整備士3級の解説


自動車整備士3級の解説


自動車整備士3級とは、前回コラム「自動車整備士ってどんな資格があるの?整備士資格について解説!」で解説した通り、自動車整備士資格の中で最も合格率の高い、整備士として基本的な資格となります。自動車整備のなかでイメージの強い、エンジンの分解修理や足廻りの整備といった自動車の根幹にかかわるような大掛かりな整備は、この資格ではまだ行うことができません。

とはいえ、どの工場でも単調で簡単な整備しかさせてもらえないのかというと、勿論そんなことはありません。自動車整備士2級や自動車検査員といった、上級資格者の指導のもと複雑な整備にチャレンジさせてもらえることもあります。

ただ、あなたがもし自動車整備士として1人前になりたいと思っているのであれば、大掛かりな整備を自分主体でできる「自動車整備士2級」や「自動車整備士1級」を目指すのをお勧めいたします。


自動車整備士3級で目指せる職業とは


自動車整備士の総数は現在39.9万人(出典:『自動車特定整備業実態調査結果概要』日本自動車整備振興会連合会)となっており、日本全国の就業人口での割合は0.6%です。昨今、自動車整備士の総数は減少傾向にあり、自動車整備会社の2社に1社は自動車整備士の不足を感じています。


自動車整備士3級の種類


自動車整備士3級を資格を持っていれば、トヨタや日産といった国産車ディーラーやアウディ、BMWなどの輸入車ディーラーはもちろん、民間工場やオートバックスなどのカー用品店での自動車整備士としての就業が可能になります。

自動車整備士だけでなく、資格や知識を活かしてお客様と自動車整備士の橋渡しを行うサービスフロントでの活躍も可能になります。なにより、整備士資格があることで、お客様により強い安心と信頼を与えることができます。

また、自動車整備士3級は整備技術だけでなく、基本の測定技術や工具の使用法などの知識も得ることができる資格ですので、メーカーでの自動車製造分野でもこの資格は有利に働きます。


自動車整備士3級の種類


ひと口に自動車整備士3級と言っても、その分類は下記のとおり4つあります。

3級自動車シャシ整備士

中型・大型自動車以外のシャシ部分で、基本的な整備を行える資格

3級自動車ガソリン・エンジン整備士

ガソリンで動く中型・大型自動車以外のエンジン部分で、基本的な整備を行える資格

3級自動車ガソリン・エンジン整備士

ジーゼル(ディーゼル)で動く中型・大型自動車以外のエンジン部分で、基本的な整備を行える資格

3級二輪自動車整備士

オートバイや原付の、基本的な整備を行なうことができる資格

読んでいただいてわかる通り、自動車整備士3級の資格では各装置の基本的な整備が行えるのみに留まっています。すべての分類の資格を取得する必要はありませんので、仕事内容に合わせて1~2つ分類を取得していただくのがおすすめです。


自動車整備士2級との違いとは


自動車整備士3級と、自動車整備士2級の違いは何でしょうか?

2つの資格の違いは、何度かお伝えした通り行える整備内容にあります。自動車整備士2級で行える整備部分は3級と同じ、エンジン回りやシャシ部分などになります。しかし、2級は3級資格に比べ、より込み入った整備作業が可能になっているのです。

また、自動車整備士2級を持っていれば単独でエンジン部分の分解整備などを行うことができます。そのため、各整備工場で1人前として求められる整備士資格は、2級以上である場合が多くなっています。

自動車整備士3級の受験資格


学校


自動車整備士3級を取得するためには、国家試験に挑む必要があります。しかし、自動車整備士の試験は誰でも受けられるという訳ではありません。自動車整備士3級受験の要件は3種類あり、そのうちのどれかを満たしている場合受験が可能になります。

要件の1つは、学校に通い三級整備士養成課程を修めることです。自動車整備士の学校は数多くありますが、国土交通省の記述によると自動車整備士3級の受験資格を得られる学校は大きく2通りに分かれます。

一種養成施設

一種養成施設とは、国土交通大臣の指定した整備専門学校・高等学校・職業能力開発校のことで、全国に約230施設ほど存在しています。実務経験のない未経験の方を主な対象としており、各養成施設により、整備士の養成課程は異なりますが「3級自動車整備士養成課程」は、大体1~2年の修業となっています。中学校など義務教育学校を卒業していることが、入校資格となっています。

一種養成施設で、3級自動車整備士養成課程を修めると、卒業後に自動車整備士3級の試験にて、実技試験の免除と学科試験の受験資格を得ることができます。

なお、実技試験の免除は卒業後2年を過ぎると免除資格を失いますので、要注意です。

通う学校にもよりますが、受講費用は年間50万~100万円ほどとなっています。

二種養成施設

二種養成施設は、各都道府県の自動車整備振興会の提供する技術講習所のことです。こちらは、全国で53施設あります。二種養成施設では、学科試験の受験資格を与えることができないので、自動車整備士として半年~1年の実務経験が必須になります。そのため、自動車整備工場で就業しながら受講する方が多くなっており、夜間や休日などに講習を行う施設も少なくありません。

二種養成施設で、3級自動車整備士養成課程を修めると、卒業後は実技試験の免除を一種養成施設と同じ2年間の期限つきで与えられます。

各施設により費用は異なりますが、受講料は大体7~8万円ほどとなっています。


独学


独学で一切学校に通わず自動車整備士3級の受験資格を得る方法もあります。それは自動車整備工場で1年以上、自動車整備の実務経験を積むことです。実務経験が1年以上あれば自動車整備士3級の国家試験に挑むことができます。

しかし、独学の場合は学科試験や実技試験の免除が一切ないため、学校に通う場合よりも様々な努力が必要になります。

参考:『自動車整備士養成施設について』国土交通省

自動車整備士3級の試験


学科試験


自動車整備士3級の試験は年に2回ほど開催されており、試験内容には学科試験と実技試験の2つの分野があります。まず、学科試験とはマークシート式のペーパーテストとなっており、整備にまつわる知識や法規についての理解度を試されます。

この試験では、基本的な知識がしっかり身についているかが試されます。幅広い分野から問題が出題されるため、万全な対策が必要になってくることは間違いありません。

問題は全部で30個出題され、そのうち21個以上が正解していれば合格となります。


実技試験


実技試験は学科試験とは異なり、実際に自動車の整備実技を行います。複数の試験官に、どれだけ素早く正確に整備実技を行えるかを、観察されるのです。また、基本的には一人ずつ行うため、試験を受けに来ているほかの受験者の前で整備実技を行う場合もあります。

そのほか、測定などを行い試験用紙に測定値を記述するなど、学科試験では判断できない実技部分を試されます。

自動車整備士3級の難易度

自動車整備士3級の取得難易度はそれほど高くはありません。通学し、3級自動車整備士養成課程を修めている方であれば、日本自動車整備振興会連合会の提供している過去問題を中心に勉強すれば合格は固いでしょう。

独学で自動車整備士を目指している方も、市販のテキストを利用して自動車の知識を身に着け、過去問題に取り掛かれば心配はありません。実技試験も、就業している自動車整備工場で資格者に指導を受けるなど、対策を行えば憂いなく試験に臨めるのではないでしょうか。


自動車整備士3級の合格率は?


令和2年度に実施された試験結果によると、自動車整備士3級の取得試験合格率は約77.3%となっています。(参考:『令和2年度第2回(第102回)自動車整備技能登録試験「学科試験」の試験結果について』、一般社団法人日本自動車整備振興会連合会)

どの年度の試験結果を見ても合格率は約70%前後となっています。シャシ・ガソリン・ジーゼルの中では、3級自動車ガソリン・エンジン整備士が最も合格率が高くなっています。

自動車整備士3級の仕事内容

自動車整備士3級の資格を取得し、自動車整備士として就業したらどんな仕事内容が待っているのか、気になりますよね。

自動車整備士3級の資格があれば、エンジンオイルやギアオイルといったオイル交換ができるようになります。そのほかタイヤ交換などといった簡単な点検整備が単独でできるようになり、「整備管理者」として事業用車両の管理を行う専門の技術者として責任ある立場につくことも可能になります。また、自動車検査員の指導・確認があればエンジンや足廻りの分解整備に携わることも可能になります。

自動車整備士として従事するのであれば、3級の資格は最低限取得しておきたい資格です。

自動車整備士3級の待遇


年収


自動車整備士3級の年収は、求人データから分析すると300万円~350万円が多いようです。やはり、基本的な整備業務しかできないため、責任のあるポジションへの到達が難しく、この資格だけでは年収の伸びもそれほど見込めません。

どうしても年収を上げたい場合は、自動車整備士2級の資格に挑戦するか、転職を行うことをおすすめします。

転職で年収を上げたい方は、是非こちらの「【自動車整備士×転職】プロが教える!転職で叶える、年収アップの秘訣!」も読んでみてください。


転職


では、転職のしやすさはどうでしょう。自動車整備士3級は企業によって、受け入れの状況が大きく異なります。この資格が自動車整備士資格のもっとも取りやすい資格ということもあり、資格を持っていても、まだ見習いという考え方を持っている企業が少なくないようです。

特に、自動車整備士という職業が技術職であるため、年齢と資格のバランスを考慮される場合も多くなっています。20代~30代の3級資格者であれば、将来性を鑑みて「自動車整備士2級」への育成を考えた採用を行うことも多く、転職成功率は高めです。しかし、40代や50代となると転職回数によっては、かなり転職が難しくなっています。

自動車整備士3級から自動車整備士2級へ

自動車整備士3級からキャリアアップを考える場合、どうしても自動車整備士2級資格への挑戦が必須となってきます。2級では、単独で分解整備が行えるほか、自動車整備主任者として責任あるポジションへのキャリアアップが可能になります。また、自動車整備士2級の年収は、3級に比べ50万円~150万円ほど高く、2級資格を持っていればどの自動車整備工場でも、1人前の自動車整備士として認めてもらえます。

自動車整備士3級から自動車整備士2級への挑戦では、自動車整備士3級としての実務経験が1年6ヶ月以上必要になります。実務経験が必須要件となっているため、各自動車整備工場では資格取得支援を行っていることが多く、働きながらキャリアアップを目指すことができます。自動車整備士として成長を実感するためにも、是非自動車整備士2級の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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