2024.08.21更新

自動車整備士1級とは?取得者4%以下の仕事内容を解説!

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更新:2024.8.21


自動車整備士1級とは?


自動車整備士1級とは?


自動車整備士1級とは自動車整備士2級と比べて高度な技術や知識が必要になる、自動車整備士の上位資格です。

1級資格を持っている人の割合は、自動車整備士資格者の中でも4%未満と非常に少なくなっています。

この資格を持っている人は、自動車整備士のなかでも選りすぐりのエリートと言えるでしょう。

 


自動車整備士1級で目指せる職業とは


自動車整備士1級資格を持っていれば、民間工場や国産車ディーラー、輸入車ディーラーのどこでも自動車整備士として働くことができます。

また、1級資格はハイブリッド車や電気自動車の特殊な整備にも対応できるため、製造分野やメーカー本社でのキャリアチャンスも広がります。

これにより、自動車整備士としての活躍の場が大幅に広がり、より高度な技術と知識を活かして、多岐にわたる業務に携わることが可能となります。

 


自動車整備士1級の種類


そんな、自動車整備士1級の資格には、3つの分類があります。

ただし、1級大型自動車整備士と1級二輪自動車整備士の試験は未だ実施されたことが無いので、資格所持者も0人となっています。

 

1級小型自動車整備士

総重量8トン以下、最大積載量2トン未満、乗車定員11名以下の普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、四輪・三輪の軽自動車の整備を行うことができます。

 

1級大型自動車整備士

総重量8トン以上、最大積載量2トン超、乗車定員11名以上の大型自動車、大型特殊自動車、普通自動車の整備を行うことができます。

 

1級二輪自動車整備士

二輪の小型自動車及び二輪の軽自動車の整備を行うことができます。

 


自動車整備士2級との違いとは


自動車整備士1級の資格は、自動車整備士2級や3級の資格と違い、1つの資格ですべての自動車の整備を行えます。

つまり、ガソリン自動車、電気自動車関係なく整備を行うことができるのです。

 

近年では、安全装置や自動運転システムなど自動車の装備自体が複雑化しています。

そのため、高度な知識と技術を持つ自動車整備士1級は、これからニーズが上がってくるのではという声も少なくはありません。

自動車整備士1級の資格者は全国でも2万人未満と非常に少なくなっていますが、それだけ価値のある資格と言えますね。

 

自動車整備士1級の受験資格


学校


自動車整備士1級の受験資格を得るには、自動車整備士2級の資格が必要になります。

自動車整備士2級や3級と異なり、学校での1級整備士養成課程でも2級の資格は必須になっています。

ほとんどの学校では、入学条件として自動車整備士2級資格の所持を条件としたり、養成課程でカリキュラムの中に2級資格の取得を組み込んでいたりします。

 

一種養成施設

一種養成施設での1級整備士養成課程は、4年制の学校が多くなっています。

最初の2年間は2級整備士養成課程と同じカリキュラムを学び、2級資格を取得した後、1級整備士養成課程に進む形です。

2級や3級に比べて、取得までに長い期間が必要ですが、それでも1級資格を目指すには、一種養成施設での修業が最も短い道のりとなります。

 

二種養成施設

二種養成施設では、約8ヶ月程度の期間で1級整備士の講習が行われています。

受講料は2級や3級に比べて高く、10~15万円と約2倍の価格となっています。

また、この講習を受けるには、2級のジーゼルとガソリンの両方の資格を持っていることが条件となっています。

 

ただし、二種養成施設では1級整備士の受験資格を直接得ることはできません。

そのため、1級の受験資格を得るためには、別途、2級資格を持った上で、3年以上の実務経験が必要となります。

 


独学


独学で自動車整備士1級を取得する場合、まず2級と3級の資格を取得する必要があります。

そのため、順調にストレートで合格したとしても、1級資格を取得するまでに最短で7年かかる計算になります。

一方、一種養成施設では最短で4年で1級資格を取得できるため、独学に比べて3年の差があります。

 

学費をかけて短期間で資格を取得するか、年数をかけて独学で挑戦するか、どちらを選ぶかは難しい選択です。

しかし、自動車整備士1級まで取得したいという強い意志があれば、独学でも資格取得は十分可能です。

長い道のりではありますが、着実に努力を積み重ねることで、目標を達成することができます。

 

自動車整備士1級の検定試験


筆記試験内容


自動車整備士1級の試験は年に1回行われ、3月に筆記試験、5月に口述試験、8月に実技試験が実施されます。

試験が1年を通して実施されるため、自動車整備士2級や3級のように年に複数回のチャンスがありません。

一度試験を逃してしまうと、次の受験は1年後になってしまうため、受験の際には応募忘れなどに十分注意する必要があります。

 

自動車整備士1級の学科試験では、これまで培ってきた整備に関する基本知識に加え、完成検査の方法や光学素子式センサ回路など、幅広い分野から出題されます。

試験時間は100分で、出題数は50問です。

 


口述試験内容


口述試験では、出題範囲は筆記試験と同じです。試験時間は10分で、問題は2問出題されます。

1問あたり5分で、受験者は1名ずつ試験委員の待つ部屋に入り、口頭で回答します。

この試験は対面式で行われるため、言葉遣いや態度も減点の対象となることがあります。

 


実技試験内容


自動車整備士1級の実技試験では、2級や3級で行った基本的な整備作業に加えて、外部診断機の使用や、配線図を読み解いて修理が必要な箇所を判断するなど、より高度で専門的な技術が求められます。

試験時間は40分で、4問が出題されます。

ただし、4問とはいっても、1問の中に4~5つの問題が含まれている場合があり、これらをまとめて1問として扱います。

問題は関連性のある内容で構成されており、例えば、最初の問題では部品を調べ、次の問題ではその部品が何かを記載する、といった形で進行します。

 

試験は2つのセクションに分かれており、それぞれ2問ずつ出題されます。各セクションでの制限時間は20分です。セクションごとに終了5分前にブザーが鳴り、時間が来ると次のセクションに移行します。

出題の傾向はその年によって様々ですが、基本的には故障診断を行う形になります。

出題の内容や傾向は年によって異なりますが、基本的には故障診断を行う形式が中心です。

試験官は複数人配置されているため、人に見られながら整備作業を行うことに慣れておくことが大切です。

試験に向けては、落ち着いて作業できるよう、しっかりと準備をしておきましょう。

 

 

自動車整備士1級の難易度

自動車整備士1級の取得難易度は、自動車整備士資格の中で最も高いといえます。

2級や3級に比べ問題数も多く、出題分野もかなり広いものとなっているためです。

また、合格ラインも正答率80%以上が求められるなど、非常に高いハードルとなっています。


自動車整備士1級の合格率は?


これまで述べたように、自動車整備士1級試験の合格難易度は非常に高いです。

日本自動車整備振興会連合会の令和4年度の試験結果によると、筆記試験の合格率は53.0%で、半数近くが合格しています。

一方、口述試験の合格率は97.6%と非常に高く、しっかりと対策を行えば合格ラインを狙える試験となっています。

 

また、実技試験の合格率は64.3%となっています。ただ、実技試験の合格率は年によって変動が大きいため、注意が必要です。

実技試験は、一種養成施設や二種養成施設で実技試験が免除されるケースが多いため、筆記試験の受験者数は2,000人を超える一方、実技試験の受験者数は200~300人程度と約10分の1に減少します。

このことから、実技試験に臨む受験者が限られていることがわかります。ただし、試験自体の難易度は依然として高く、十分な準備が必要です。

 

(参考:『令和4年度第2回(第106回)自動車整備技能登録試験「学科試験」の試験結果について』、一般社団法人日本自動車整備振興会連合会)

 

自動車整備士1級の仕事内容

自動車整備士1級の資格を持っていれば、分解・整備・修理のすべてを行うことが可能です。

さらに、この資格を活かして、高度な技術レベルに挑戦したり、複雑な故障診断にも対応できるようになります。

 

現在、自動車業界は「100年に1度の大変革期」とも言われており、自動車の技術革命はこれからも進展し続けると考えられます。

1級自動車整備士は、自動車整備士の中でも環境問題や最先端技術に精通した資格であり、その重要性はますます高まっています。

特に、電子制御装置(自動ブレーキなどの先進安全技術)のメンテナンスを行うためには、国土交通省から別途、自動車特定整備事業の認証を受ける必要があります。

この認証を得るには、自動車整備工場に1級資格保有者が1名以上在籍していることが条件となっており、そのため1級資格保有者のニーズがこれから更に増していくと考えられます。

 

また、自動車整備士1級は、技術者としての役割にとどまらず、指導者としての役割も期待されます。

整備知識や自動車知識を活かし、サービスフロントとして顧客のコンサルタントとしても活躍できるでしょう。

 

自動車整備士1級の待遇


自動車整備士1級の待遇


自動車整備士1級の平均年収は、400~500万円程度となっています。

経験がある方であれば、500万円スタートの求人案件も少なくありません。

さらに、自動車検査員の資格も併せて持っていれば、より高い年収が期待できるでしょう。

また、この資格を活かして経験を積んでいけば、責任のあるポジションにつくことも十分に可能です。

資格と経験を活かして、キャリアアップを目指すことができる点も、自動車整備士1級の魅力の一つです。

転職で年収を上げたい方は、是非こちらの「【2024最新情報】自動車整備士の平均年収と収入を増やす具体的な方法」も読んでみてください。

 


転職


自動車整備士1級の転職市場は、自動車整備士2級と同様に、現場の即戦力として多くの企業から高い需要があります。

特に、40代~50代の転職者に対しては、経験を活かして指導者や責任者としてのポジションを用意している企業も少なくありません。

 

さらに、自動車業界が「100年に一度の大変革期」を迎えている現在、自動車整備士1級のニーズは緩やかではありますが、確実に上昇しています。

東京都では、2030年までにガソリン車の新車販売をゼロにする方針を掲げており、それに伴い、電気自動車やハイブリッド車の普及が進んでいます。

これらの車両には、自動ブレーキなどの先進安全技術が搭載されており、これらのメンテナンスには自動車特定整備事業の認証が必要です。

つまり、今後、どの自動車整備工場にも1級自動車整備士の存在が不可欠となるでしょう。

 

このような特定整備の需要拡大に伴い、新規工場の立ち上げや新プロジェクトのメンバーとして、自動車整備士1級の転職機会は今後さらに増加し、より転職しやすい環境が整っていくと予想されます。

 

 

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