2023.09.26更新

自動車検査員とは? 資格、年収、仕事内容を徹底解説!

自動車検査員の資格取得を検討されていますか?自動車検査員という職種は、整備士とは異なる特徴と責任を持っています。本記事では、自動車検査員と整備士の違い、検査員の年収、仕事内容について詳しく解説します。現在整備士や自動車業界で働いている方々にとって、有益な情報を提供することを目指していますので、ぜひ最後までお読みください。

自動車検査員とは?

自動車検査員とは、民間車検場である指定工場において、車検検査の合否判定を行える資格を持ったプロフェッショナルです。この資格は、自動車整備士の関連資格の1つであり、特に自動車整備士2級の上級資格と位置づけられています。

基本的に、車検検査の合否判定は国が行うのが通例ですが、自動車の普及と車検のニーズの増加に伴い、効率的な検査体制を確立するために、陸運局に持ち込まずとも自動車検査員の資格を持つ者が国に代わって車検の合否判定を行えるようになっています。

 

自動車検査員は「みなし公務員」とも呼ばれており、その名前の通り、業務妨害に対する公務執行妨害の適用があったり、守秘義務があったりします。

これは、自動車検査員の責任の重大さを示すものであり、この資格を持つ者は、車検検査の合否判定を公正かつ正確に行う重要な役割を担っています。

 

自動車検査員の資格を持てば、多くの整備工場で自動車整備士や自動車検査員として働くことが可能となります。この資格は、どんな現場でも即戦力として期待されるものであり、自動車整備士2級の上級資格としての位置づけがなされています。

 

さて、自動車整備士の上級資格には、自動車検査員の他にも自動車整備士1級があります。これらの資格の大きな違いは、自動車検査員は車検検査の合否判定を行える点にあります。

また、その責任の重さから、自動車検査員はみなし公務員という特別な位置づけにあり、例えば、車検検査に関する守秘義務を破った場合、自動車検査員は公務員と同じ刑罰の処遇を受けることになります。

 

一方、自動車整備士1級は、車検検査は行えないものの、自動車の様々な分野における深い知識と技術を持つ、自動車のスペシャリストと言えます。自動車検査員は整備作業よりも、設備の管理や書類作成など、事務的な仕事が主になっています。これらの違いから、どちらの資格が適しているのかは、個人の興味やキャリア目標によって異なるでしょう。

 

自動車検査員の仕事内容

自動車検査員の仕事内容は、主に車検検査に関連した業務になります。また、完成検査という、テスターや計測機器を使用し、整備した車両が保安基準に適合しているかをチェックする仕事は、自動車整備士にはできない、自動車検査員にのみ許された仕事となります。

その他、検査に関する書類の作成と補完や、検査場設備の管理など法令の遵守、事故防止に関する把握と徹底が自動車検査員に求められるスキルです。ただし、検査員でも検査業務以外に、通常の整備業務を任せられる場合もあります。兼任での働き方も存在しているので、事前に勤務先に確認しておくといいでしょう。

 

自動車検査員の平均年収

自動車検査員の年収は、自動車整備士1級と同じく、400~500万円が平均となっています。資格手当などが支給される企業も多くなっています。国内メーカーであれば、メーカー資格を取ることで各種手当や給与面の上昇が見込めるため、高収入も望めます。

 

自動車検査員の転職事情

自動車検査員の転職は、20~30代の場合よっぽど好条件を求めない限り、かなり多くの企業と縁をつなぐことができます。40~50代の場合は転職回数にもよりますが、工場長や管理職などの、責任者ポジションでの求人も多くなっています。

ただし、民間工場の場合は、自動車検査員と自動車整備士の2つの役割を兼任する場合が多いので、転職を考える場合は事前に確認をしたほうがいいでしょう。

 

自動車検査員の受験資格

自動車検査員の資格は自動車整備士と同じ国家資格となります。そのため、この資格を取得するには試験を受ける必要があります。みなし公務員と言われるだけあって、その受験資格は自動車整備士の受験資格よりも難易度が高くなっています。

記画像のように、3つの受験資格を同時にすべて満たしていないと、自動車検査員の資格を取ることはできません。また、整備士主任者のポジションにつくには、自動車整備士2級の資格が必要なため、ある意味これも受験資格の1つと言えます。

 

自動車検査員の試験

自動車検査員教習

自動車検査員の資格を取るためには、試験よりも先に既定の自動車検査員教習を受けなくてはいけないのです。運輸支局にもよりますが、大体が、9時~17時で4日間の教習が行われます。

教習では、道路陸送車両法などといった法律についてや、車検検査について知識を付けます。日によって教習分野が異なります。この4日間は、1度でも遅刻・早退・欠勤をすると教習を受けたことにはならず、自動車検査員の試験の受験資格を得ることができませんので、気を付けましょう。

 

修了試問

自動車検査員教習を修了すると、自動車検査員修了試問に挑戦することができます。自動車検査員修了試問は、夏・冬の年2回実施されており、基本的には教習と日程がセットになっている場合がほとんどのようです。

各都道府県の運輸局で開催されており、問題内容もそれぞれ異なります。基本的に、試問では教習で学んだ、自動車関係の法令などが出題されます。

過去問題も、いくつか公開されているようなので、自分の受験地区の過去問題を勉強するのがおすすめです。

 

自動車検査員の難易度

自動車検査員の試験は、国家試験のなかでも、比較的易しい部類だと言われています。だからと言って、簡単に取れる資格かというと、そうではないので、事前準備は必要になります。教習と試問の費用は、15,000円ほどとなっており、別途参考書を購入する場合、もう数千円かかるようです。

教習を受け、試問に挑戦したが不合格だったという場合は、もう一度教習を受けるのでははなく、教習から2年以内であれば、試問にもう一度、無料で挑戦することができます。しかし、2回とも不合格だと、また教習から受けなおす必要があるので要注意です。

 

自動車検査員の合格率は?

自動車検査員試問の合格率は、残念ながら正確な情報は非公開となっています。各都道府県で合格率にもばらつきがあるようですが、だいたい50~70%の合格率が平均と言われているようです。

 

まとめ

自動車の進化とともに、自動車検査員の役割も変化し続けています。若者の自動車離れが話題になる一方で、自動車は今でも多くの人々にとって欠かせない存在です。特に交通インフラが未発展な地方都市では、車なしでは生活が困難であり、自動車保有台数も減少することはありません。

自動車の数が増えるにつれて、車検のニーズも増加しています。車検は、車が安全に運行できることを保証する重要なプロセスであり、自動車検査員の資格はこのプロセスを適切に実施するために不可欠です。車検のニーズがなくなることは考えられず、もし車検のニーズがなくなるとしても、それはずっと先の未来の話です。

自動車検査員の資格は、自動車整備士としてのスキルをさらに高め、車検検査の専門家としての地位を確立するための鍵となります。この資格を取得することで、自動車整備士としてのキャリアをさらに拡大し、自動車業界の未来に貢献することができます。

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