女性は自動車整備士になるのが難しい、そう思っていませんか?
実は、そんなことはないんです。
ひと昔前まで、女性が整備士になるのは、体力や環境のせいでなかなか難しいことでした。
しかし、自動車業界では少しずつ女性整備士の活躍が増えており、企業も女性が働きやすい環境を整えつつあります。
とはいえ、「
私は、女性であることが理由で、整備士の道を諦めてほしくありません。
そこで今回は、女性の自動車整備士の割合や実態だけでなく、自動車整備士として就労する際に
実際に整備士として活躍されている女性の事例もご紹介しますので、あなたの転職活動の助けになれれば幸いです。
この記事を書いたのは・・・転職エージェント Mirai Kurihara
自動車業界のキャリアアドバイザーとして、月間15人前後のキャリア相談を実施。
一人一人に寄り添ったアドバイスが好評。
座右の銘はLove the life you live, Live the life you love.
自動車整備士の平均年収は、ディーラーで約489万円、専業で約378万円、兼業で約389万円です。
国税庁によれば、令和5年度の一般の女性(正社員)の平均年収は約315万円でしたので、自動車整備士という職業は
(国税庁:令和5年分 民間給与実態統計調査)
これまで、女性が自動車整備士に挑戦をする上で課題となっていたのは、なんといっても労働環境です。
しかし2017年に国土交通省が策定した「自動車整備業における女性が働きやすい環境づくりのためのガイドライン」をはじめとした政策により、労働環境は改善されつつあります。
この”労働環境”という言葉ですが、大きく2つに分けることができます。
それが、工具や機器など「
女性が自動車整備士として働く上で、最も心配されているのが体力面です。
実際、体力をかなり使う仕事であることに変わりはありません。
特に大型車の整備ともなれば男性の力を借りる必要がある場面も多いです。
しかし、近年では
また男女で担当する整備箇所が変わったり、専用の機器の導入などの配慮があったりする職場もあります
そして体力といっても筋力の面だけでなく、空調設備の改善も進んでいます。
近年ではスポットクーラーだけでなく冷暖房やシャッターなどの導入も進んでおり、夏は涼しく冬は暖かく整備ができる企業も増えてきています。
■実際に働く女性の声■
-入社前に不安だったことはありましたか?
自動車業界には男性社会のイメージを抱いていたため不安がありました。ただ、実際に働いてみると「男女関係なく活躍できる業界」だと感じます。
どうしても身長や力では男性に敵わない部分もありますが、実は
「力を使う仕事」のほとんどは工具で解決することができます 。現在はトラックをメインに車検整備を行っており、最近は故障診断も担当できるようになりました。
難しそうに見えても、やってみると「意外とできた!」ということが多いです。
出典:中国から来日!~日本で整備士として活躍~<くるまなでしこ>
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SGモータース株式会社 うめちゃん
国土交通省が定めた「自動車整備業における女性が働きやすい環境づくりのためのガイドライン」では、体力面だけでなく男女別の設備や産休育休に関わる制度などの必要性も取り上げています。
男女別の設備で言うと、
・男女別のトイレ
・男女別の更衣室
・男女別のシャワールーム
などが挙げられます。
その他の制度で言うと、
・ライフスタイルに応じた休暇制度
・柔軟な勤務時間体制
・同性に相談ができる体制
などが挙げられます。
■実際に働く女性の声■
-「育児時短制度」ですか?会社が子育てをサポートしてくれてるんですね!
早く退勤できるので、子供を迎えに行くのにすごく助かってます 。それに加えて、定休日以外に土日祝を休むこともでき、子育てしながらでもとても働きやすいです!
-自動車ディーラーで土日にお休みが取れるんですね!土日は保育園に預けられないので、助かりますね
はい!
こういった制度以外でも、妊娠していた時には、
周りの方がタイヤ等の重たいものを代わりに持ってくださるなど、色々サポートしていただいてます!出典:好きな仕事と充実した育児支援 ~最高の環境で働く~<くるまなでしこ>
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ウエインズトヨタ神奈川株式会社 はるーさん
これらは現在、整備が進んではいるものの、入社前には企業にしっかり確認した方が良い項目と言えるでしょう。
せっかく整備士として働くのであれば、
そこで、女性整備士が輝ける場面を、
自動車を使用する女性にとって、同じ女性からの整備に関する説明は分かりやすいものです。
機械や自動車に関する知識があまり無い人に対しても分かりやすく説明するコミュニケーション能力は求められますが、そこをクリアすれば
女性ならではの細やかな配慮や気配りで、お客様に喜んでもらえることが多いです。
また、男性客女性客問わず、女性整備士の方がやっぱり話しかけやすいという方が多く、そこでしっかりとお客様の心を掴めるのも女性整備士の強みと言えます。
エンジンルームなどの細かく狭い箇所の作業や小さなパーツ、配線処理といった作業では、
女性が働く職場というのは、それだけ労働環境や制度の整備がされているということです。
そのため、お客様からだけでなく、
■実際に働く女性の声■
-働いてみて良かったことはありますか?
女性であるということが、ハンデにならない仕事だとわかったことです。
体力面や力仕事で不安はありましたが、フィジカル的なハンデはほとんどなく、少しのサポートで何とかなりました。
むしろ、
女性だからこそ体の小ささが武器 になって、繊細な個所や奥まった場所の整備など、男性から頼られる ことも少なくありません。-仕事をしていく上で感じる「やりがい」についてお願いします!
お客様から整備の指名を受けたとき、やりがいを感じます。
自動車整備士は、基本的に指名をしてもらうことはないのですが、仲良くなって指名でお電話を頂けたり、お車を預けていただけるのはとても嬉しいです。
指名を頂けると、自分のことを信頼して認めてくれていると感じ、自信に繋がります。
-自信がつくとモチベーションにもつながりますよね。ほかに、仕事で嬉しかったことはありますか?
そうなんです。自動車整備士として自信がついてきて、もともとネガティブ思考だったのがポジティブ思考になったんですよ!
嬉しかったことは、やりがいと似ていますがお客様からのお声がけです。
特に、女性の整備士はまだまだ珍しく、頻繁に声をかけていただけるんです。
その時に「
すごいね! 」とか「女性の方が相談しやすいから、居てくれてよかった! 」など言っていただけると元気になれます。出典:女性も工場長になれるという、職業の可能性を広げたい。<くるまなでしこ>
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株式会社ホンダカーズ埼玉 かじさん
一方で、女性整備士ならではの悩みもあります。
例え様々な工具や機器があったとしても、
そのため、時には男性整備士の力を借りなければならないこともあります。
出産や育児といったライフイベントでは、どれも体調がとても重要になってきます。
妊娠初期の段階でも安全の都合上、がっつり整備を続けるのは難しいです。
また、出産や育児で長期間お休みしている間にも、自動車や整備技術は進化していきます。
そのため、休みや短時間措置がとれるだけでなく、休み明けでも復職できる体制(研修など)が必要になってきます。
女性ならではの問題など、なかなか男性には相談しにくいこともありますよね。
しかし、同じ女性の整備士に相談したくても、女性整備士全体の人口が少ないため相談がしにくいこともあります。
そのため、企業選びの際には同じ女性整備士がいるのかどうかを判断軸に加えてもいいかもしれません。
ここまでご説明してきた、
次では、女性が自動車整備士へ挑戦するうえで必ず就業前にチェックすべきことを紹介します。
ぜひ、応募前や就業前に活用してくださいね。
ここでは、必ずチェックすべきこととしてご紹介しますが、
自分の中で、どこまでが許容できて、どこからは許容できないのかをしっかり考えたうえで、ぜひチェック項目としてご活用ください!
■体力面や筋力面に配慮した工具、機器はどれくらいそろっているか
■クーラーの有無(スポットクーラーか、冷暖房完備か)
■女性用のトイレがあるか
■女性用更衣室があるか
■女性用シャワーがあるか
■清潔感のある工場か
■産休、育休はあるのか(取得実績や割合はどれくらいか)
■産休や育休から復職時の研修制度や復職の割合
■柔軟な勤務時間体制はあるか(子どもの発熱時の時短勤務など)
■女性ならではのことを相談できる体制はあるか
■社内の女性の割合(女性整備士は他にいるか)
■転勤や出向の有無
■キャリアアップの機会はあるか
■研修制度や体制は整っているか
■資格取得支援制度はあるか
以上になります。
これらに加えて、一般的に転職時に確認が必要とされている
もし、一人で調べるのは不安だなと思ったら、ぜひお気軽にご相談ください!
現在、日本の自動車整備士全体に占める女性の割合は
女性整備士の人数は2018年から2019年に1000人ほど増えたものの、そこをピークに減少傾向にあります。
女性整備士(10,481人)が就労する業態の割合は、
その次に兼業の整備工場が多く、約15%を占めています。
そして、ディーラーの割合は約13%となっています。(図2)
専業 とは
自動車整備の売上高が総売上高の50%以上を占める事業場(ディーラーを除く)
兼業 とは
自動車販売や部品用品販売、保険などの兼業部門の売上高が50%以上を占める事業場(ディーラーを除く)
ディーラー とは
自動車製造会社や国内一手卸売販売会社と特約販売店契約を結んでいる事業場
自家 とは
主に自社の保有する車両の整備を行っている事業場
また、業態別の女性整備士の割合を見ると、こちらも専業の整備工場の割合が最も多く、専業の整備工場で勤める自動車整備士のうち
ディーラーの整備士のうち、女性の割合が1.3%とかなり少ないこともこのグラフから分かります。(図3)
ここまでの2つのグラフを見ると、「ディーラーは女性整備士に向いていないのでは?」と感じるかもしれません。
しかし近年、ディーラーの女性整備士の割合は増える一方で、反対にそれ以外の業態では女性整備士の割合は減少傾向にあるのです。
ディーラーを運営する企業は、上でご紹介した
いかがだったでしょうか?
女性でも自動車整備士を目指すことは可能なのです。
現在進行形で環境の整備は進んでおり、多くの企業が女性整備士の雇用を視野に入れ始めています。
しかし、そういった状況でも、
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