自動車整備業界でキャリアを積む方、自動車検査員を目指す方であれば必ず知っておきたい”整備主任者”という役職。
この記事では「整備主任者とは何か?」から始まり、講習、研修、届出、そのメリットまで、わかりやすく解説します。
整備主任者とは、自動車整備工場(認証工場・指定工場)において、整備の品質と安全を管理する責任者を指します。
法令上、自動車整備事業を行う事業場には1名以上の整備主任者の選任が義務づけられており、整備業務全般を管理・監督する役割を担います。
なお、整備主任者は特定の資格ではなく役職です。国家試験はありませんが、要件を満たした上で事業者から選任され、運輸局に届出・受理されることで任命されます。
簡潔に言えば、整備現場の管理監督を行う仕事です。
【具体的な業務内容】
・整備士が行う点検、分解、修理作業が保安基準に適合しているか確認
・特定整備記録簿への記録と保存の管理
・受入時の検査と作業指示
・整備の中間段階での検査や確認
また、2020年4月より「電子制御装置整備」が法定化され、カメラやセンサーを使用する先進運転支援システム(ADAS)の整備も主任者の責任範囲となりました。
従って、最新技術への対応力も求められます。
以下のすべてを満たすことが必要です。
(※)電子制御装置整備を行う事業所での整備主任に選任された場合のみ。
実施要領についてはこちらをご覧ください。
整備主任者になるためには、所定の「整備主任者講習」を受講し、修了する必要があります。
この講習では、自動車整備業務に必要な最新の法令や技術、管理方法について学ぶことができます。
受講後、所定の試験に合格することで、整備主任者として認定されます。
整備主任者として選任される前に受講する法定研修です。
内容は以下の通りです。
・整備管理制度の概要
・点検、整備方法
・法令と保安基準の理解
任命後は年に1回、以下の研修が義務となります。
・最新の法令・通達
・自動車業界の動向
・新技術(ブレーキ、サスペンション、電子制御など)
・実技研修(テーマ別)
※未受講の場合、工場の認証取り消しや監査の対象となるため、注意が必要です。
法令研修では以下の2種類の教材を使用します。
(1)全国共通教材
国土交通省が出す全国共通の教材です。以下のURLから最新版を見ることができます。
(2)地域教材
各地域の運輸局が出す地域別の教材です。
各都道府県や地域の運輸局で公開されています。
※有料で冊子での購入も可能です。
(例)関東運輸局 令和6年度版
(例)九州運輸局 令和6年度版
また、電子制御装置整備の整備主任者等資格取得講習を受講する場合は、以下のテキストも使用します。
(電子制御装置整備の整備主任者等資格取得講習 国土交通省自動車局整備課)
整備主任者に選任された場合、以下の書類を運輸局へ提出します。
・整備士資格の証明書(手帳コピーや合格証)
・選任届(整備主任者選任届)
・研修修了証明書
届出が受理されて初めて正式な主任者として業務が可能となります。
整備主任者の経験は、主に給与アップとキャリアが広がっていくという意味で沢山のメリットがあります。
整備主任者を1年以上経験していれば、「自動車検査員(検査ラインで最終的な車両チェックを行う国家資格)」の受験資格を得ることができます。
たとえば、車検を実施できる指定工場では検査員が必須のため、この資格を取得すれば、会社にとって欠かせない存在になることができます。
整備主任者として得た知識や経験は、将来管理職や工場長を目指す際にとても役立つでしょう。
また、今後転職活動を行う際に整備主任を行った経験は大きく評価されるでしょう。
そのため、今後キャリアを考えている際には必ず経験しておきたい役職になります。
整備主任者として選任されると、会社によっては月に数千円〜1万円程度の役職手当が支給されることがあります
例えば、こちらの求人では、役職手当として5,000円の支給があります。
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上記のことから、整備主任者になることは現在の年収アップだけでなく、長期的な年収アップ(生涯年収アップ)に繋がります。
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整備主任者は現場の監督を行うため、現場のメンバーとのコミュニケーションが必須となります。
そのため、円滑に業務を進めることができるコミュニケーション能力が必要になります。
また、業務量や責任が増えてしまうことも注意です。
主任として現場に臨むため、業務や責任は増えてしまいます。
整備だけに注力するという訳にはいかなくなってしまうため、注意が必要です。
一時的に主任者が不在となる場合、事業者は代行者を任命し、必要に応じて届出を行う必要があります。
また、長期不在時には主任者の再選任が求められます。
整備主任者は、整備管理者や自動車検査員との兼任が可能です。
ただし、すべての業務に対して責任をもって遂行する体制が求められます。
整備主任者は、自動車整備業界でのキャリア形成に不可欠な役職です。
要件をしっかりと満たし、実務経験と研修を重ねることが整備主任者になるためには必要です。
また、将来的に自動車検査員や管理職を目指す方にとって、整備主任者の経験は非常に有利です。
現在、1級・2級整備士資格をお持ちの方は、次のステップとしてぜひ挑戦してみてください。!
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