水素ステーション_カーボンニュートラル_写真
2024.11.14更新

【自動車整備士必見!】自動車業界のカーボンニュートラルとは?求められるスキルや今後の動きについて

地球温暖化が進んでいく現代、環境問題は全ての人が意識すべき問題となりつつあります。

今回は自動車業界内で行われている環境問題対策 カーボンニュートラル について、分かりやすく解説を行います。

自動車整備士としてのスキルにも直結し、自分の市場価値にも関わるこの取り組み。

今後の自動車業界においても大変重要になってくる考え方になりますので、理解するだけでなく、ぜひ周りの方にも教えられるようになっていただければと思います。

 

カーボンニュートラル_自動車整備士用バナー

そもそもカーボンニュートラルって?

あまり聞きなじみのない、この「カーボンニュートラル」という言葉ですが、その意味は

二酸化炭素(CO2)排出量を実質的にゼロにすること

を指します。

これは、二酸化炭素排出量を減らすだけでなく、出てしまった二酸化炭素を吸収・除去して、結果的に二酸化炭素の増加量をゼロにしていこう という動きです。

つまり、人類の活動によって二酸化炭素(カーボン)を増やすことのない中立(ニュートラル)の状況を目指しているのです。

世界中でこのカーボンニュートラルという取り組みは広まりつつあり、各国政府だけでなく世界中の企業が参画しています。

日本もこの取り組みには積極的で、環境省や経済産業省が「2030年までに温室効果ガス排出を2013年比で46%削減する」という目標を掲げており、日本の企業もこの目標を達成すべく取り組みを開始しています。

参考:環境省 地球温暖化対策計画(令和3年10月22日閣議決定)

実は、このカーボンニュートラルにおいて、自動車業界はとても重要な立ち位置にあります。

その理由や今後の動きも合わせて、この先で詳しく解説していきます。

 

自動車業界におけるカーボンニュートラルの進展

自動車業界が重要とされている理由

この二酸化炭素(CO2)排出量を実質的ゼロにする取り組み カーボンニュートラル において、まずは二酸化炭素の排出量を減らすことが重要となります。

自動車業界は特にCO2排出量が多い産業であり、より多くの対策が求められるため、積極的な取り組みが必要となるのです。

その中でも最も効果的だと思われているのが、化石燃料である石油を燃焼してCO2を排出するガソリン車などの内燃機関による動力から、太陽光や風力、水力などのクリーンエネルギー由来の電気や水素で走行する電気自動車、水素燃料電池車などへの移行です。

各国政府はガソリン車から電気自動車や水素燃料電池車などのより環境に良い自動車を普及すべく、様々な施策を打ち出しています。

それぞれの特徴や施策について解説していきます。

 

具体的な取り組み

電気自動車(EV)の普及

自動車業界におけるカーボンニュートラルを目指す上で、最も提唱されているのが、電気自動車(EV)の普及です。

従来の自動車と異なり、ガソリンを使わないため、走行中のCO2排出がゼロになります。

またその電力を、風力や太陽光など再生可能エネルギーでまかなうことができれば、更にカーボンニュートラルの実現につながります。

日本政府は「乗用車において、2035年までに新車販売で電動車100%を実現」(2023年)と発表し、各種制度や補助金といった対策を立てています。

欧州連合(EU)も「2035年までに新車・バン共にCO2排出量を100%削減」という目標を発表し、各メーカーもそれに向けた計画を打ち出しています。

さらにIEAの報告では、2030年までに世界全体で約45%の車両が電動化されると予測されており、2050年には50%を超えるという予測も立っています。

しかし、EVの普及にはバッテリー生産時のCO2排出や、充電インフラの整備、再生可能エネルギーの発電量の少なさなどの課題もあります。

参考:経済産業省HP 自動車・蓄電池産業 主な今後の取り組み

European Council Council of the European Union First ‘Fit for 55’ proposal agreed: the EU strengthens targets for CO2 emissions for new cars and vans

IEA World Energy Outlook 2024

 

水素燃料電池車の可能性

水素燃料電池車も、CO2排出がゼロであるため、とても効果的な技術とされています。

水素燃料電池車は、水素を燃料とし、走行時には水のみを排出するため、特に長距離輸送や大型車両向けの技術として注目されています。

日本政府は水素の普及にも積極的で、経済産業省の「水素基本戦略」では2030年までに乗用車換算で80万台程度の普及、水素ステーションの1,000基程度の整備を掲げています。

また、乗用車だけでなく、商用車への支援を重点化する方針も発表しており、今後更に身近になっていくと思われます。

参考:再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議 水素基本戦略

しかし、自動車業界のカーボンニュートラルへの対策は、これらのようなメーカーが行う施策だけではありません。

実は自動車整備士としても取り組むべきことは発表されているのです。

この先で詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。

 

カーボンニュートラル_自動車整備士用バナー

自動車整備業界におけるカーボンニュートラルの進展

実は、自動車の整備業界でも、カーボンニュートラルへの関心が高まっているのです。

自動車整備士が車両を長く安全に使えるように自動車を整備することで、自動車を長持ちさせ、製造時や廃棄時にかかるCO2排出の削減に貢献しています。

さらに、エンジンやタイヤ空気圧の調整オイルの交換やエアクリーナーエレメントの清掃など、適切な整備を行うことで燃費が向上し、結果的にCO2の排出も減らすことができています。

つまり、自動車整備士は日々の整備業務の中でCO2排出量の削減、カーボンニュートラルの実現に貢献していると言えます。

そうした状況の中で、国土交通省と日本自動車整備振興会連合会は自動車整備士のカーボンニュートラルへの対応について、課題やその対応を発表しました。

参考:国土交通省,日本自動車整備振興会連合会 カーボンニュートラルに向けた自動車政策検討会ヒアリング資料

自動車整備士への情報提供・技術教育について

今後増えてくる電気自動車(EV車)や水素燃料電池車などの多種多様な車両の整備ができるよう、自動車整備士への技術教育と情報共有が必要とされています。

また、そのための指導者教育の充実Web教育ツールの導入、場合によっては外国人材の活用も必要としています。

カーボンニュートラルそもそもの認知が自動車整備士の間で広がり、最新の情報が常に共有される環境や提供システムの充実が、今後は求められてきます。

 

部品のリユースとリサイクルについて

自動車整備士は自動車を整備することで長持ちさせ、製造や廃棄の数を減少させ、それにかかわるCO2排出量の削減に貢献しています。

それは自動車だけでなく、その部品にも言えることであり、各部品のリユースやリサイクルを行うことで、排出するCO2の更なる減少につながります。

 

各整備場の機器導入について

CO2排出量の減少につながることから、導入が求められる機器としては大きく分けて2種類あるとされています。

電気自動車や新燃料車両などを整備するための機器

今後増える見込みである電気自動車や新燃料車両を整備する際に必要になる機器の導入は必須と言えます。

またその操作方法の研修や、整備機器の規格統一・標準化もあわせて進めていく必要があるでしょう。

整備事業の効率化につながる機器

カーボンニュートラルの実現のために電気自動車や新燃料車両などの普及が始まると、現在の自動車整備士としての業務に加え、様々な機材の導入や研修が必要になってきます。

こうした新技術に対応していくためには、自動車整備士の業務を効率化する機器の導入も必要であるとしています。

 

ここまで自動車整備業界のカーボンニュートラルの進展について書きましたが、いかがだったでしょうか。

新しく必要とされる技術や知識に不安を感じた方も多いのではないでしょうか。

ここから先は、カーボンニュートラルの実現に向けた自動車業界の変革に、自動車整備士はどう向き合っていくことが求められるのか、解説していきます。

 

自動車整備士_システム

自動車整備士はカーボンニュートラルにどう向き合うか

必要な技術や考え方は?

今後、自動車業界でのカーボンニュートラル実現に向けて大変重要な存在となる自動車整備士。

「環境問題」に向き合う意識のほかに、様々なスキルの取得に貪欲である姿勢が求められてきます。

 

今後自動車整備士は、電気自動車や新燃料車両をはじめとした様々な車両の整備を行う機会が生まれます。

従来の自動車整備士としてのスキルだけでなく、電子・電気工学や機械工学の知識や技術が更に必要になることもあるでしょう。

その際に、自分のこれまでの自動車整備士としてのスキルを過信せずに、新たな技術を自ら学ぼうとする姿勢が求められます。

電気自動車等の整備の業務に係る特別教育や、各メーカー研修1級自動車整備士資格など、学ぶことができるものも多くあります。

今後の自動車整備士としての市場価値として、ガソリン車の整備だけでなく、様々な車両の整備ができることも指標の一つになると予想されるため、ぜひこの機会に取得を目指してみてはいかがでしょうか。

 

業界のトレンドを掴む

カーボンニュートラルや、その実現に向けた施策は日々進化し続けます。

それらに対応するためには、常に最新の情報を知っておくことが重要になります。

特に今後は、法規制が更に強化される可能性もあり、その知識も必要となってきます。

最新の自動車についての情報や業界ニュースについては、定期的に調べておくことが必要になるでしょう。

 

さて、ここまで自動車整備士としてのカーボンニュートラルへの向き合い方について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

時代の流れに追いつくためにも、日々技術の取得や勉強が必要になってきます。

しかし、どこから手を付けていいのか分からない方も多いのではないでしょうか。

 

最後に、そんな方のためにもカーボンニュートラルについてより面白く、より興味深く学ぶことができるイベントをご紹介します。

 

イベント:自動車業界のカーボンニュートラルを学べる!

自動車業界のカーボンニュートラルに関するイベント

日本自動車輸入組合(JAIA)による、自動車業界のカーボンニュートラルについて認知を広げ、更なる理解を目的としたイベントが東京にて開催決定!

大好評により、2021年の東京、2022年の大阪、2023年の神戸に続く4回目の開催となります。

ぜひお気軽に足をお運びください。

開催概要

イベント名

JAIAカーボンニュートラル促進イベント in 東京

開催日時

1日目:2024年11月15日(金)10:00~19:00

2日目:2024年11月16日(土)10:00~19:00

場所

東京駅 丸の内エリア(詳細は、下記バナーよりご確認ください)

内容

①様々な電気自動車(EV)や、燃料電池自動車の最新モデルの展示

電気自動車や燃料電池自動車の最新モデルの展示あり!実際に構造を見たり、各ブランドの担当者とお話しする機会も!

②最新の電気自動車の構造や整備について見れたり、説明を受けたりできるJAIA自動車整備人材関連情報連絡会のブース出展

③在日ドイツ商工会議所「自動車整備士養成プログラム」のブース出展

ドイツの専門職業訓練デュアルシステムに基づくOJTと座学を両立した職業訓練プログラムについての説明を受けられます。

11月15日(金)14時から15時の間、TOKIAガレリア会場の同会議所ブースにおいて、本プログラムの講師によるプレゼンテーションが行われます。

④その他さまざまな出展ブースやイベントあり!

詳しくは下記バナーより、特設サイトをご覧ください!

参加について

料金:無料

予約:原則不要ですが、16日(土)に実施予定の試乗などのプログラムは、予約が必要となります。

カーボンニュートラル_自動車整備士用バナー

限定グッズ(非売品)のプレゼントも!

当日、会場で下の画像を見せると、メルセデス・ベンツもしくはボルボ・カーズ非売品グッズをプレゼント!

場所

東京ビルTOKIA会場

自動車整備人材関連情報連絡会ブース

※数量限定、先着順となります。

※画像は一例です。

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