お客様との距離が近く、メーカーを問わずさまざまな車種に触れられる、ガソリンスタンドの整備士はとても魅力的な仕事です。
しかし、いざ転職しようと思い調べてみると
「ガソリンスタンド整備士きつすぎる」
ーこのような言葉を目にすることもあると思います。
では、ガソリンスタンド整備士はどんな「きつさ」「楽しさ」があるのでしょうか?
この記事では、ガソリンスタンドで働く整備士の仕事内容を整理し、「きつさ」「楽しさ」自動車業界の転職のプロが具体的に解説します。
ガソリンスタンドで働く整備士の仕事は、そのガソリンスタンドが「認証工場」や「指定工場」として指定を受けているかによって大きく異なります。
ここでは、具体的な業務の違いについて詳しく見ていきます。
ガソリンスタンド整備工場の3つの種類
1. どちらの指定も受けていない店舗
2.「認証工場」の指定を受けている店舗
3.「指定工場」の指定を受けている店舗
これらを、順番に見ていきましょう。

以上が、ガソリンスタンドごとの違いです。
①→②→③の順に整備士として任される仕事の幅が広がっていくとイメージすると分かりやすいでしょう。
そのため、求人票を見る際は「認証工場」「指定工場」といった表記があるかどうかを確認すると、その職場でどこまでの整備に携われるのかを判断しやすくなります。

1.接客が必要でプレッシャーを感じやすい
ガソリンスタンドでは、整備士がお客様と直接やり取りする機会が多く、タイヤやバッテリー、オイル交換などの提案を担当することもあります。
そして、作業内容を説明するだけではなく、車の状態や交換の必要性を、お客様が納得できるように伝えなければなりません。
その提案を断られたり、売上目標を意識した対応を求められたりすることに、プレッシャーを感じる方もいます。
そのため、接客が苦手な方や、黙々と作業を進めたい方にとっては、整備技術とは別に、説明力や提案力、対人対応力が求められる点が負担になりやすいでしょう。
2.整備の仕事に専念するわけではない
ガソリンスタンドの仕事は、車両の点検や整備だけではなく、給油・洗車・レジ対応など、整備以外の業務にも時間を割くことになります。
特に。来店が集中する時間帯や人手が不足している店舗では、整備作業の途中でも接客や給油対応を優先しなければならない場合があります。
そのため、予定していた作業が思うように進まなかったり、整備業務に使える時間が限られたりすることもあります。
「一日中クルマを触っていたい」というメカニック志向の強い方にとっては、「整備業務とその他の業務」との両立をしなければいけない環境に負担を感じることもあります。
3.業務環境が専門的では無いことがある
ガソリンスタンドは、給油設備や車両の出入りに必要なスペースを優先して設計されています。
そのため、ディーラーや整備専業工場と比べて、整備用ピットの数や作業スペースが限られている店舗もあります。
また、整備設備が整っていないガソリンスタンドでは、屋根のない場所や、屋根があっても外気の影響を受けやすい場所で作業する、「青空整備」(屋外での作業)になる店舗もあります。
その場合、夏は強い日差しや高温、冬は寒さや冷たい風にさらされるため、身体への負担が大きくなります。

1.感謝を直に受け取れる
作業したその場でお客様から反応が返ってくるため、自分の仕事が誰の役に立ったのかを実感しやすい環境です。
生活に欠かせない車の不調を直した結果「ありがとう」「助かったよ」という言葉を直接受け取れることは、ピットにこもって作業する職場ではなかなか得られない手応えです。
一般的な整備工場とガソリンスタンドの大きな違いの一つは、接客業務の有無にあります。
お客様の反応を、その場で受け取れることに喜びを感じられる方にとっては、日々の業務そのものがモチベーションにつながる職場といえるでしょう。
2.幅広い車種に触れられる
国産車から輸入車、軽自動車から大型車まで、メーカーを問わずさまざまな車種のオーナー様が来店します。
扱う車種が絞られるディーラーとは異なり、日々違うメーカー・年式の車に向き合うことになります。
覚えることは多くなりますが、車が好きなため整備士を志した方にとっては、好きなものに囲まれて働ける環境です。
特定のメーカーに偏らない知識を蓄え、キャリアの幅を広げたい方には、新しい車種が入庫すること自体がやりがいに繋がるのではないでしょうか。
3.地域密着で働ける
給油のたびに立ち寄るガソリンスタンドは、ディーラーに比べて来店頻度が高くなりやすい場所です。
家から近い、価格が手頃といった理由で、いつも同じ店舗に通うお客様がとても多いです。
そのため常連のお客様と顔なじみになりやすく、「またお願いね」と名指しで頼まれることもあります。
一度きりの対応ではなく、同じお客様の車を長く見続けたい方などには、地域の生活を支えているという手応えが得られる環境です。
「きつい」といわれる要素と「楽しい」といわれる要素は、実は表裏一体です。
接客が多いことはプレッシャーにもなりますが、感謝を直接受け取れる理由でもあります。
どちらに比重を感じるかは、その人が仕事に何を求めているかによって変わってくるでしょう。

今回、ガソリンスタンド整備士への転職を多数支援してきた、
自動車業界専門の転職エージェントの渡辺さんにインタビューを行いました。
A. 営業的な思考を持っている上で、整備に興味がある方に向いています。
ガソリンスタンドの整備工場といっても、よく行くお店にちょっとしたピットが付いている程度のものから、系列店の車を一括で整備する集約工場の機能が付いたガソリンスタンドまで幅があります。
どちらの環境かによっても向き不向きは変わりますが、共通していえるのは、ガソリンスタンドはディーラーよりも近所の同じお客様の来店頻度が高いため、お客様との関係が築きやすいです。
そのため、営業的な思考を持っている方は、整備の知識を活かして日々のコミュニケションを通じてお客様へタイヤ・オイル・バッテリーなどのカー用品や、車検・コーティングの提案を行い、個人の販売実績に応じたインセンティブを受け取っている方が多いです。
A. ガソリンスタンドで働いて整備資格を取得することはもちろん可能です。
ルール上は、3級整備士を取るのに半年の実務経験が必要です。そして、そこから講習に通い1年ほどで取得する人が多いです。
3級を取った状態から、さらに2年の実務経験を積むと2級整備士の受験資格が得られます。そこから、また講習に通って整備資格を取得する流れです。
そのため、2級整備士資格を取得するには、通算で4~5年ほどが目安になります。
この際、「認証工場」か「指定工場」での勤務のみ、受験資格のための実務経験として認められるため、勤務先が地方運輸局長からどちらかの許可を受けている工場かの確認は必ず行うようにして下さい。
A. 出世をキャリアのゴールに考えるなら、ガソリンスタンド整備士は非常に有効な選択です。
なぜなら、ガソリンスタンドは店舗数が非常に多く、一社で20~30店舗を展開しているケースもあります。
その店舗数だけ工場長・店長のポジションがあり、それをまとめるエリアマネージャー、さらにその統括といったステップも用意されています。
A. これは整備工場のスタイル次第で大きく変わります。
ずっと整備ばかり行っている拠点もあれば、入庫台数がそれほど多くない店舗では、車が入ってきたときにその都度対応する、という運用になっていることもあります。
同じガソリンスタンドという業態でも、会社や店舗によってかなり異なるので、求人票だけで判断するのは難しい部分です。
ガソリンスタンドの整備士と一言で言っても、店舗によって任される業務や得られる経験はさまざまです。
納得のいく転職を叶えるためには、求人情報の「工場種別(認証・指定)」や「サポート体制」をしっかり比較することが成功のカギとなります。
就職はその後の人生を左右する大切な選択です。プロとともに、後悔のない就職活動を目指してみてはいかがでしょうか。
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