「求人票には『研修制度が充実!』と書いてあるけど、実際のところ何をするんだろう?」
「車の知識がなくても、研修についていける?」
「それとも、入社初日からいきなり整備を任されるの?」
―未経験から整備士を目指す方にとって、入社後の研修が具体的にイメージできないことは、大きな不安ですよね。
その疑問、この記事ですべてお答えします!
多くの企業で未経験整備士の採用には、充実した研修制度が用意されています。そんな、未経験整備士の味方である研修は実際に何をするのか。
もともと大手ディーラーで後輩育成・OJTの入社時研修を担当しており、今は弊社で求職者様の転職支援をしているキノピーさん監修のもと具体的にお話させていただきます!
それでは、未経験整備士の研修内容を順番に見ていきましょう!

整備士として働き始める際、最初から車を分解したり、エンジンを触ったりすることはありません。まずは、「安全に働くためのルール」と「整備士として必要な基礎知識」を学び、整備士として働くための土台をつくることを中心に研修が始まります。
国土交通省の「自動車整備技能実習ガイドライン」でも、整備作業の前に身につけるべき基礎として「機械・工具の知識」「自動車整備の基礎知識」「安全衛生の理解」が定められています。
本記事もこれに沿い、「①安全教育 → ②工具 → ③車の基礎知識」の順で紹介します。いずれも国が育成の土台として重視している項目です!これから紹介する研修の流れは、多くの企業が採用しているものであると同時に、国が定めた基準に沿った内容でもあります。
なお、研修の進め方は企業によって異なるため、ここで紹介する流れは一つの目安としてご覧ください。
まず、何より大切な安全に業務を行うためのルールを研修で学びます。整備工場では、リフトで車を持ち上げたり、重い部品を扱ったり、さまざまな工具を使います。そのため研修では、工場内での行動ルールや保護具の扱い方など、事故やケガを防ぐための基本を徹底的に学びます。
整備士の仕事では、作業を速く終わらせることよりも、安全な手順を守ることが優先されます。未経験者はまず、「どのような場面で危険が起こるのか」を理解することから始めます。
次に、実際の整備業務に向け、使用する具体的な器具・工具について学びます。整備の現場では、スパナ・レンチ・ドライバー・ジャッキなど、さまざまな工具を使用します。研修では工具の名称や用途を覚えながら、「どの作業にどの工具を使うのか」を学びます。工具を正しく扱わないと、部品を傷つけたり、ケガにつながったりする可能性があるため、扱い方の基本も身につけます。
そして、整備士として働くうえで自動車の基本構造を知ることは欠かせません。エンジン・ブレーキ・タイヤ・バッテリー・足回りなど、それぞれの部品がどのような役割を持っているのかを学びます。まずは部品の名前や役割を知り、実際の車を見ながら「この部品がこう動く」と体感的に理解していくことが大切です。
この際、企業によっては学校のような大型施設を持ち、トランスミッション単体を使用し専科実習のような研修を行うこともあります。

基礎研修を受けた後は、先輩整備士について現場で仕事を覚えるOJT研修へ進みます。OJTでは、作業そのものだけでなく、整備工場全体がどのように動いているのかを理解することを目的としています。
国土交通省が発行するガイドラインでも、整備技術はOJTを通じて身につけていくものとされています。
それだけ、現場での先輩からの指導が、整備士の成長に欠かせないと位置づけられているのです。このフェーズでは、未経験者は先輩の近くで作業を見ながら、少しずつ現場に慣れていくことが大切です。
最初は、先輩がどのような手順で整備を進めているのかを見学する時間が中心になります。車両の受け入れから、点検・部品交換・作業後の確認・記録まで、整備には決まった流れがあります。
未経験者は、いきなり作業を覚えるよりも先に、「どのタイミングで何を確認するのか」を理解して覚えることが大切です。整備士の仕事は、一人で完結するものではありません。フロント担当者や他の整備士と連携しながら進むため、まずは現場全体の流れを把握することが重要です。
OJTでは、工具や部品の準備・作業後の片付けなども担当することがあります。一見すると整備とは関係がないように見えるかもしれませんが、必要な工具や部品を事前にそろえ、作業スペースを整えることは効率的な整備の基本です。
また、片付けや整理整頓を通じて、部品の種類や工場内のルールを自然と覚えられます。こうした基本的な業務を丁寧に行うことが、後の整備作業にも役立ちます。

現場の流れに慣れてきたら、比較的手順の決まった基本作業を担当するようになります。
未経験者が最初から難しい故障診断や大きな分解整備を任されることはありません。基本作業から経験を積み、先輩の確認を受けながら、できる仕事を一つひとつ増やしていきます。
基本作業に慣れてくると、法定点検や定期点検、車検整備の補助にも関わるようになります。まず、実際の動き方を先輩と一つ一つ確認し、間違えない作業を覚え、その部分を徐々に一人で任されます。
車両の「走る・止まる・曲がる」を支える部品の整備に携わりながら、「どこを見れば不具合に気づけるか」「どんな整備が必要か」という判断力を養います。
未経験者が早い段階で経験しやすいのは、エンジンオイル・タイヤ・ワイパー・バッテリー・ランプの交換や、タイヤの空気圧チェックといった作業です。
これらを通して、工具の使い方から、正しい手順で進めること、終わった後の確認、作業内容の報告までを一通り学びます。ひとつずつ「できること」が増えていく実感が、整備士としての自信を育てていきます。
「資格なんて、まだ自分には早い」と思うかもしれません。でも実は、働き始めて6ヶ月が経つと、3級自動車整備士の受験資格が得られます。ここまで現場で積んできた経験そのものが、資格取得の準備になっています。だからこそ、未経験スタートでも早い段階で資格に挑戦できます!
POINT
「何から準備すればいい?」という方は、「働きながら整備士資格を取得する方法」のコラムで、試験科目や取得の流れを具体的に解説しています。

この時点で3級整備士資格を取得していると、これまで先輩の補助として関わってきた法定点検や車検整備を、自分が主担当として進める機会が増えていきます。どこをどの順番で点検し、消耗部品の交換時期をどう見極め、整備記録簿にどう記録するかという、一連の流れを自分の責任で組み立てられるようになります。
もちろん最終的な確認は経験豊富な先輩が行いますが、「自分が点検した車が、無事にお客様のもとへ走り出していく」という実感は、整備士ならではのやりがいです。
そして、任される仕事は点検・車検にとどまりません。決められた手順をこなすだけでなく、自分の知識と経験を総動員して挑む、応用的な業務へと活躍の場が広がっていきます。
1年目までの整備が「決まった手順で進める作業」中心であったことに対し、重整備などの経験によって車の構造を深く理解したことで、「不具合の原因を自分で探る」より高レベルな業務に移ります。
その代表が、故障診断です。お客様から「警告灯が点いた」「変な音がする」といった相談を受け、診断機で車のコンピューターの状態を読み取りながら、原因を突き止めていきます。いわば、車の“お医者さん”のような仕事です。
最初は先輩と一緒に原因を探りながら、少しずつ自分なりの引き出しを増やしていきます。経験を積むほど精度が上がっていく、腕の見せどころです。
3級を取得した後は、次の目標として2級自動車整備士が見えてきます。2級を取得すると対応できる整備の範囲が大きく広がり、整備の主要な作業をほぼ独立して任せてもらえるようになります。
資格手当の対象となる企業も多く、収入面でも明確なステップアップにつながります。
資格を一つずつ積み重ねることで、整備士としてできることも、目指せるキャリアも着実に広がっていきます。
未経験から始める整備士の道のりは、基礎を学び、先輩の補助で現場に慣れ、簡単な整備から少しずつ担当範囲を広げていくことの積み重ねです。例え知識ゼロからでも、正しい順番で着実に一人前へ近づいていけます。
とはいえ、ここまで紹介してきたのはあくまで一般的な流れであり、研修制度や教育体制の手厚さは、企業によって大きく異なります。
求人票に書かれた「研修制度あり」の一文だけでは、実際にどんな順序で、どれくらい手厚く育ててもらえるのかまでは見えてきません。だからこそ、入社前にできるだけ具体的な情報を集めておくことが、後悔のない一歩につながります。
自動車業界に特化した転職エージェントであれば、各社の研修内容や育成実績まで把握していることも多く、「未経験者をしっかり育ててくれる職場」かどうかを判断する材料を得やすくなります。
気になる求人があれば、応募前に一度、エージェントに研修体制について聞いてみるのも一つの方法です。

毎月600件以上の新着求人、掲載件数は15,000件以上!
全国の整備工場との独自ネットワークを活用し、整備士を中心とした自動車業界の幅広い職種の求人を掲載。
国内最大級の豊富な求人数で、職種や勤務地、工具貸し出しの有無などでの検索も可能。
また、全ての求人に写真が掲載されており、職場の雰囲気も分かりやすい!
整備士や鈑金塗装、営業など自動車業界で働きたい方のための転職求人サイトカーワクなら、理想の職場がきっと見つかります。