教師から自動車業界へ ~悔しさが導いた私の居場所~
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ニックネーム:みーちゃん
職種:店長
会社名:宇田川株式会社
店舗名:ENEOS Dr.Drive ふれあいセルフけやき台店
前職:保健体育の教員、自動車整備士、ディーラー
趣味:温泉巡り、海外旅行、山登り
出身地:茨城県守谷市(生まれは東京都)
地元(茨城県守谷市)のいいところ:住みやすい街ランキングの割と上位に入ってるところ!
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保健体育の教員から自動車業界へ
今日はどこからいらっしゃったんですか?
ーいきなり逆インタビューですか(笑)東京の練馬の方から来ました!
あ、私大学が日本女子体育大学なんですけど、その辺りに通っていましたよ。
ーそうだったんですか!大学では何をされていたんですか?
保健体育の教員になるための勉強をしていました。でも特に教員になりたかったわけではなくて、何かのスポーツ選手になれたらいいなぁくらいの気持ちだったんですけどね。教員のコースに行くか、インストラクターのコースに行くか選択できるんですが、インストラクターにはなりたくなかったので消去法で教員のコースを選びました。ちなみに種目はバスケットボールとサッカーをやってました!
ーじゃあ前職は保健体育の教員ですか?
そうですね。大学を卒業して、まず最初に教員になったんですけど、それから自動車整備士をやって、ディーラーもやって、今ここに来た感じですね。今の店舗は7年目になるんですけど、この前につくばみらい市の店舗のスタンドでも店長をやらせてもらっていましたので、トータルで14,5年は今の会社ですね。
私を駆り立てたのは悔しいという感情
ー教員をご経験されてから、自動車業界に進んだ経緯を教えていただけますか?
実は、大学生の頃2年ほど都内のENEOSでアルバイトをしていたんですけど。卒業して、教員になる為に茨城に帰ってきたんですね。
その時に母親が、あるガソリンスタンドで膨大な金額を取られた話を聞きまして、私自身、大学生の頃にアルバイトで少しだけ業界を経験していたから、母の車をここまでいじる必要はなかったことが何となく分かったんですね。明らかに金額はおかしかったんですけど、今更何も言えないですし、女だから舐められたのかなって。
それが本当に悔しくて悔しくて。自動車整備士の免許は持っていなかったんですが、働きながら取れる自動車整備工場に転職したんです。
ーその悔しさが、今のお仕事を続けるモチベーションになっていたんですか?
やっぱりそれはずっとありましたね。本当に今するべき整備を適切に判断して、2度と母のような経験をする方が出てこないようにという一心で続けてきました。
どんな人でも必ず1つは良いところがある
ー今は店長として幅広い業務を行っていると思いますが、主な業務内容を教えていただけますか?
来店されたお客様の接客業務はもちろんなのですが、私がいなくてもお店が回るように従業員をマネジメントしたりとかですね。今はどちらかと言えば社員育成がメインなので、作業とかはそんなにせずに任せて見守ってるって感じですね。
ー学生時代のアルバイト経験を経て、ガソリンスタンドの業務内容はある程度ご存じだったかと思いますが、その中でも予想していないかった業務内容とかってありましたか?
あー、キズ・へこみ直しですかね。ガソリンスタンドでもリペアとかするんだって思いましたね。その専任のスタッフがいたんですよ。
―確かにそのイメージは僕も無かったです。店長として責任も大きくなる中で、逃げ出したいと思ったことはありましたか?
やっぱり接客業だから、どんなクレームに対しても、まずは頭を下げなければいけない時ですかね。例えばですけど、洗車で傷ついたとか。今の時代の洗車機で車体に傷が付くことなんてありませんし、私自身も傷に関しては目が肥えてきているのでその傷が洗車機によるものかどうかは大体分かるんです。まずはお客様のお話を聞いて、うちの洗車機の魅力を伝えて、実際に他の車を洗車して見せることで納得してもらいますけどね(笑)
ーでは逆に楽しいと思える瞬間はどんなときですか?
スタッフの成長を目の当たりにしたときですね。やっぱり結果はすぐには出ないですし、地道に教えてようやく見ることの出来るものですから。バッテリーを1個売るためにロープレをして、実際にお客様と対面して練習を重ねて、やっと売れた時とかは私自身やってよかったなって思いますね。
あとは売り上げの進捗がいい時ですよね。
ースタッフの成長はやっぱり嬉しいものなんですね。ではズバリ、このお仕事に向いてる人は?
自然と笑顔が出る人と、声を出すことに恥じらいが無い人は向いてると思いますよ。
まぁでも、やる気があれば何でも出来ますよ。例えばコミュニケーションが苦手な方だったら何かしらの免許を取って、洗車だったり整備の業務に入っていただけるといいと思います。どんな人であっても必ず1つは良いところとか、その人の持ち味みたいなものがあると思うんです。そこを私のような立場の人が上手く見つけてあげられるかどうかですよね。それこそガソリンスタンドは色々な業務がありますから、1人1人の個性が活かしやすい職場環境だと思います。
人って、プライベートが満足出来てないと仕事も満足に出来ないと思う
ー残業はありますか?
残業はないですね。いや、あるけど、出来るだけ残業はしないように帰れるような環境作りはしています。私自身定時で帰ることはもちろんありますし、どうしても忙しい時は残ることもあるんですけど、定時で上がることがほとんどなんじゃないかな。GW前とお盆前、年末は繁忙期なので長引くこともありますけどね。
ー帰ってからと休日はどのように過ごされているんですか?
猫と戯れてます(笑)
ー猫を飼われているんですね!
そうなんです。なんなら一昨日拾った猫がそこにいますよ(笑)ちょうど一昨日に夜勤の子が拾って、すぐに保護しました。今のところ1年に1匹は拾っていますね。拾ったらすぐに病院に持って行って、健康だったらここで1か月くらい飼って、里親を探すんです。そこにいる子ももう里親が決まってるんですよ。それも動物病院の獣医さんなので安心で。この店舗に来てから7匹拾ってますね。ボンネットの中に入ってたりとか、今私が飼ってる子も拾ったんですよ。
ー動物愛護団体みたいな活動をされてるんですね(笑)もともと動物がお好きだったんですか?
そうでもなかったんですけど、にゃーこを拾って飼い始めてから考え方が変わりました。にゃーこは私が飼っている猫なんですけど、今はもう家にいる時は基本的に引っ付いてます(笑)ちなみに、飼い始めた当時にゃーって鳴くことが出来なくて、ちゃんと鳴けるように願いを込めて付けた名前なんです。
ー素敵な由来ですね。
あと休日の過ごし方としては、今まで温泉巡りに行ったり、海外旅行に行ったりしてたんですけど、最近はコロナで行けないので、山登りとかしてます。本格的ではないんですけど、軽装で、山のなんとも言えない良さに気づきましたね。
ーお仕事をしながら趣味の時間もしっかりと取っているんですね。
まぁ無理してでも取りますね。遊び100%、仕事100%です。スタッフにも言ってるんですけど、人ってプライベートで満足していなければ仕事で100%は出せないと思うんです。だから、ちょっと元気のないスタッフがいれば、本気で遊んできなさいって言いますね。その代わり仕事は仕事でちゃんとやってもらいますけど(笑)やっぱりスタッフ見てると、なんか今日元気ないなとか感じることがあって、そんな時って大体プライベートで何かしらの変化があった場合が多いんですよ。だからその話も聞いて、やっぱり男性が多いので、女性目線でのアドバイスをしたりしています。そう考えると、仕事後の団欒の時間が一番長いかもしれないですね。早く帰りたいんですけど、話し出したら止まらなくてなかなか帰れないんですよ(笑)
今後の自動車業界を担う女性たちへのメッセージ
ー最後に、自動車業界が気になってるけど、男性のイメージが強くて1歩踏み出せない方の背中を押すようなお言葉をお願いします。
どんな業界でどんな仕事に就いても結局は自分との戦いですから、あんまり業界とかは関係ないんじゃないかなと思います。男性が多いからこそ、女性の方が社員として可愛がられること多いですし、仕事がやりやすいという利点もあります。今は女性の方が強いことが多いですから、最近の男性は草食系の優しい方が多いですっし、思っているより働きやすいと思いますね。
それに、本当に一生懸命仕事をしていれば、周りは男女関係なく評価してくれます。男女差別って現代ではもう自分だけが勝手に気にしている場合がほとんどで、実際男性はそこまで気にしてないと思います。男性社会で働く女性って言ってしまえば壁がある感じがしますけど、そもそも自分が気にしてるだけで相手は何とも思ってないんだよってところを伝えたいですね。だからこそ、やりたいことをやったほうがいい。
人生1回きりですから、男社会とか言ってる場合じゃないですよね(笑)
やってみて合わなければ転職すればいいんですよ。自分に合う仕事が絶対ありますから、やらないでモジモジしてるなら1回は踏み込んでみるべきだと思います。
私自身、自動車の知識を付けて絶対に見返してやるっていう想いで自動車業界に入りましたけど、実際働いてみたらみんな優しかったんですよね。
それこそ昔は言葉遣いがキツイなんてこともありましたけど、そんなの古臭いですから。今はかなり働きやすい環境が整ってると思いますよ。
例えばトイレとかも昔はやっぱり男社会だったから、女性用トイレがなかったりしたんですよ。でも今はすごく奇麗なトイレが完備されてたりしますから。
自動車整備に関しても、PCを繋いでどこが故障しているのか調べたり出来るので、力がいる仕事もどんどん減ってきてますし、むしろ整備時のPC作業になると女性の方が強いなんてパターンもありますよ。
本当に自分次第だと思います。
編集者:AKASHI,H.